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ニュース&イベント: 雇用/労働法/福利厚生関連情報

トランプ大統領、新型コロナウイルス対策法案に署名

3.19.20

概要

ファミリーズ・ファースト・コロナウイルス対策法 (Families First Coronavirus Response Act (H.R. 6201))

トランプ大統領は、2020年3月18日、上院を90対2の賛成多数で通過した、ファミリーズ・ファースト・コロナウイルス対策法 (Families First Coronavirus Response、H.R. 6201) (「ファミリーズ・ファースト法」または「本法」)に署名しました。ファミリーズ・ファースト法は、無料のコロナウイルス診断検査の設置に加え、雇用主とその従業員に直接的な影響を及ぼす2つの主要な法律を盛り込んでいます。

緊急家族介護および医療休暇拡大法 (Emergency Family and Medical Leave Expansion Act) (「EFMLEA法」)(2020年4月2日から2020年12月31日までの時限立法)

EFMLEA法は、特定の従業員が、COVID-19 に関連する理由で家族介護および医療休暇法(Family and Medical Leave Act(「FMLA法」))の下での休暇を取得できるようにすることにより、FMLA法が提供する保護を拡大するものです。COVID-19 に関連する理由に基づくこのような休暇は、公衆衛生緊急休暇(Public Health Emergency Leave)と呼ばれます。EFMLEA法は、従業員数が500人未満の雇用主に適用されます。従業員が適格とされるには、少なくとも30日間、雇用主の下で勤務していることが要件となります。

EFMLEA法では、公衆衛生緊急事態に関連した休暇申請資格の定義において、H.R. 6201法案の原案よりもはるかに狭義な内容を規定しています。かかる資格は、公衆衛生緊急事態のために出勤(またはテレワーク)が不可能で、かつ18歳未満の子供の学校または育児施設が閉鎖されたり、または育児サービスプロバイダーの利用が不可能になったりしたために、子供の世話をするための休暇を必要とする従業員に限定されます。

EFMLEA法の下での休暇の最初の10日間は、無給となる可能性があります。しかし、従業員においては、下記で解説するとおり、「緊急有給病気休暇(Emergency Paid Sick Leave)」の利用が可能かもしれません。最初の10日間経過後、雇用主は、従業員が本来勤務していたであろう正規の時間数に基づく従業員への通常報酬額の3分の2を下回らない金額を支払わなければならないとされています。EFMLEA法の下での有給休暇においては、従業員1名につき1日当たり200ドルまたは総額10,000ドルという上限が設けられています。上限に達した場合、12週間の休暇の残りは無給となります。

雇用主は、原則、FMLA法の復職保障条項の順守を義務付けられています。しかし、従業員数25人未満の雇用主においては、休暇開始時に従業員が有していたポジション(職位) が、(a)雇用への影響が必然的で、かつ (b) 休暇期間中の公衆衛生危機により引き起こされた、経済的状況または雇用主の事業運営上のその他変化を原因として存在しなくなった場合には、当該従業員を復職させる義務はないとされています。雇用主は、休暇開始時に従業員が有していたポジションと同等のポジションに就かせる合理的な努力を払わなければならず、福利厚生・給与・雇用条件においても休暇開始時のものと同等のものでなければならないとされています。

上記および下記の2つの主要な法律が盛り込まれたファミリーズ・ファースト法の発効日は、制定日から15日後に当たる2020年4月2日です。本法は、2020年12月31日に失効します。米国労働省は、ファミリーズ・ファースト法について従業員に周知を図る目的で対象雇用主に使用してもらうためのポスターを今後発表する予定です。 

緊急有給病気休暇措置法 (Emergency Paid Sick Leave Act)(2020年4月2日から2020年12月31日までの時限立法)

従業員数500人未満のすべての雇用主は、次のいずれの場合にも、有給の病気休暇を提供しなければなりません。

  1. 従業員が、COVID-19 に関連して、連邦、州または自治体の検疫または隔離命令の対象となっている場合
  2. 従業員が、医療従事者により、COVID-19 に関連する懸念から、自己隔離を行うよう助言されている場合
  3. 従業員が、COVID-19 の症状を呈しており、医師による診断を求めている場合
  4. 従業員が、上記1. に記載する命令の対象となっているか、または 上記2. に記載するような助言を受けている個人の世話をしている場合
  5. COVID-19 の予防措置として、従業員の息子もしくは娘の通う学校もしくは育児施設が閉鎖されたり、または息子もしくは娘のための育児サービスプロバイダーの利用が不可能となったりしたために、従業員が息子または娘の世話をする場合
  6. 従業員に、財務長官および労働長官と協議の上で保健福祉省長官が指定したその他本質的に類似する症状がある場合

労働長官は、かかる義務が、従業員数50人未満の小規模企業のビジネス継続を危うくするものであるときは、小規模企業に対して当該義務を免除する権限を有しています。しかしながら、こうした免除を受ける方法に関する指針は、現時点では発表されていません。

フルタイム従業員は、80時間の有給病気休暇を取得する権利を有しています。パートタイム従業員は、2週間の期間に、当該従業員が平均して勤務した時間数に等しい有給病気休暇を取得する権利を有しています。ちなみに、病気休暇手当は、上記1. 、2.および3.に記載のとおり、従業員が隔離命令の対象となっていたり、自己隔離のために勤務不可能な状態であったり、該当する症状を呈していたり、または診断を必要していたりする場合、1日当たり511ドル(総額5,110ドル)が上限額となります。一方、上記 4. 、5.または6.に記載のとおり、その他の本質的に類似する症状があったり、または子供の世話をしたりしなくてはならない従業員への病気休暇手当は、1日当たり200ドル(総額2,000ドル)が上限額とされています。

緊急病気休暇措置法は、既存の有給休暇ポリシーを有するいかなる雇用主に対しても、既存のポリシーが提供する有給休暇に加えて、同法に基づく有給休暇期間を提供することを義務付けています。また、従業員が同法の下で緊急病気休暇を使用する前に、雇用主が提供するその他の有給休暇を利用するよう求めることはできないとも定めています。さらに、雇用主が、従業員に支給する手当を減額するために、既存の病気休暇ポリシーを修正することは禁止されています。

特定の制限はあるものの、雇用主においては、1986年内国歳入法典第3111条(a) (老齢、遺族および障害保険)により課される税金および各暦四半期の一定の雇用関連税における税額控除が認められます。このような税額控除は、緊急病気休暇措置法に規定する制限によるものの、当該雇用主が該当する暦四半期において支払った適格な病気休暇手当の100%に等しい額で構成されます。税額控除は、緊急病気休暇手当として支払われた賃金に割り当て可能な特定の適格医療保険経費分、増額されることがあります。

対象雇用主は何をすべきか?

各雇用主においては、従業員への通知を通常行っている職場内の掲示板に、労働長官により今後作成または承認されるポスターを掲示し、FMLA法の下の休暇および緊急有給病気休暇の利用が可能であること、ならびにファミリーズ・ファースト法が定める要件について従業員に周知させるとともに、これらの要件を反映させるための就業規則の修正・補完を行う必要があります。

雇用主が、従業員よるファミリーズ・ファースト法の下での権利の行使を妨害したり、または同法が違法とする慣行に対して異議を申し立てたことを理由に従業員(求職者を含む)を解雇・差別(報復を含む)したりすることは、禁止されています。

障害を持つアメリカ人法 (Americans With Disabilities Act)、労働安全衛生法(OSHA)および公正労働基準法 (Fair Labor Standards Act) の順守、賃金・労働時間のコンプライアンス、病気休暇、自宅勤務ポリシー、従業員の就労ビザ、訴訟の遅延、不可抗力条項の適用、ならびに契約上の問題を含め、ファミリーズ・ファースト法に関するご質問は、貴社の担当弁護士に連絡されるか、または当事務所の雇用/労働法/福利厚生部門の弁護士までお気軽にお問い合わせ下さい。

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