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土地境界紛争: 隣接地所有者の私道設定に関して注意すべき点

10.4.22
関連業務分野 不動産

隣接地の所有者があなたの土地を使用している疑いがある場合、法的な問題が生じることがあります。例えば、隣接地所有者が一戸建て住宅の駐車スペース(driveway)を広げるなど、私道の範囲を拡張する場合、隣接地との境界が、あなたが本来想定していた位置と異なることがあり得ます。このような場合、隣接地所有者が、あなたの土地に関して時効取得する権利を行使しているとみなされる場合が多くみられます。

隣接地所有者がそのような行動を取る場合、単に境界の位置が誤りであった可能性もありますが、他方で、隣接地所有者が、あなたの土地の一部に関し、所有権または地役権の取得時効を成立させようとしている可能性もあります。

取得時効により所有権を取得するには、20年間中断することなく継続して、当該物件を占有する必要があります。さらに、かかる占有は、当該物件の真の所有者に対して当初から継続して敵対的なものであり、真の所有者に見えるものである必要があります。ただし、真の所有者の許可を得た使用の場合は、取得時効は成立しません。

地役権の取得時効を行使するためには、通常、請求者(占有者)が同権利を取得することにより自身の利益となるような状況や、同物件の所有者の意向にかかわらず占有を通じて利益を享受する意思が明らかである状況が必要となります。

不法に私道が拡張されている場合の対処法は、まずは土地の境界を確認するために専門の測量調査を行うことです。その結果、境界に争いがあると思われる場合には、隣接地所有者に丁寧にアプローチし、境界に関して間違いと思われる点について話し合います。もし、隣接地所有者が同意せず、真の所有者が自分の見解について確信しているものの、法的措置を講じるほどの問題ではないと考える場合には、隣接地所有者が私道の拡張を継続する(あるいは、他の改良を行う)ための「使用許諾(license)」を与えることを検討します。使用許諾を付与することにより、隣地所有者のかかる占有行為はもはや敵対的なものではなくなるため、実際の占有がある場合でも、取得時効を成立させるための必要条件である期間を中断させることができます。

本稿または不動産関連問題についてのご質問は当事務所の不動産部門までお問い合わせください。

© 2024 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved. 本書は、特定の事実や状況に関する法務アドバイスまたは法的見解に代わるものではありません。本書に含まれる内容は、情報の提供を目的としたものです。かかる情報を利用なさる場合は、弁護士にご相談の上、アドバイスに従ってください。本書は、広告物とみなされることもあります。