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米国入国後にフォームI-94の確認を行う重要性

12.15.23
関連業務分野 移民法

ホリデーシーズンになり、帰省、休暇、出張などで海外へ渡航する人も多いかと思います。長旅から米国に戻ってくると、渡航者の誰もが一刻も早く自宅や宿泊先に帰って疲れを癒したいと思うものです。しかしながら、ビザを利用して米国に居住、就労、または就学している方においては、後々の頭痛の種となりうる「フォームI-94」に関して、米国入国直後、忘れずに行うべき重要なステップがあります。

初めに、フォームI-94(出入国記録)とは、米国への入国が許可された渡航者に対して米国税関国境取締局(U.S. Customs and Border Protection (CBP))が発行する電子書類です。 フォームI-94には、外国籍の方が入国を許可された際のビザ分類(E-2、L-1B、F-1ビザなど)とその有効期限が記載されています。 ビザの有効期限まで米国に滞在できると思う方も多いですが、これはよくある誤解で、米国での滞在期限を定めるのはあくまでフォームI-94となります。米国籍または米国永住権保持者の方以外は、原則、フォームI-94に記載されている日付前までに米国を出国する必要があります。

フォームI-94は、正確な情報で処理されることが一般的ではあるものの、時折CBP審査官が誤った情報で発行することがあり、それが入国者にとって後に大きな問題の種となってしまうことがあります。 例えば、CBP職員が、移民法上のステータス、入国日、または滞在期限を誤って入力してしまった場合、移民法システム上も誤った情報のままで登録されてしまいます。この場合、例えば入国者が滞在期限の誤記に気づかずに、期限を過ぎてアメリカに滞在してしまったとしても、「超過滞在(Overstay)」として移民法違反となり、国外退去命令や将来の米国への入国拒否につながる可能性が生じます。くわえて、氏名やパスポート番号の誤入力により、CBPの電子システム上で当人のフォームI-94を見つけられなくなることがあります。 これらの問題は、後に運転免許証発行施設や社会保障局などの政府機関が、該当個人の移民法上のステータスを正確に確認できなくなってしまう事態を引き起こしかねず、、公的書類の発行に遅延をもたらす原因にもなってきます。

このような事態を避けるには、米国入国直後にCBPのフォームI-94検索ウェブサイト(https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home) で自身のフォームI-94を確認し、入国に関する情報が適切に記録されているかどうかを忘れずに確認することが重要です。 それには、CBPの審査場または手荷物受取所を出る前に、携帯電話でフォームI-94をチェックすることをお勧めします。フォームI-94は、CBP職員が審査を完了した直後にオンライン上で更新されるため、渡航者は手荷物受取所で荷物を待っている間に、フォームI-94が正しく更新されたかどうかを確認することができます。空港で フォームI-94の誤記を見つけた場合は、税関の外にあるCBPの追加審査(Deferred Inspection)オフィスに出向き、すぐに内容の訂正を求めることが可能です。その場で誤った情報が

すぐに訂正されない場合には、最寄りの追加審査オフィスに電話または訪問して訂正を依頼する必要がでてきてしまいます。

併せて、一緒に渡航する家族全員分のフォームI-94も忘れずに確認することを強くお勧めします。主たるビザ保持者のフォームI-94が正しく記録されていても、家族のフォームI-94に間違いがあることも多々あります。 フォームI-94 が正しく入力されていることは、米国で就労する配偶者ビザ保持者にとって非常に重要なポイントとなってきます。2022年1月30日、CBPはE-1、E-2、およびLビザの配偶者に対し、それぞれE-1S、E-2S、L-2Sという新たな滞在資格(Class of Admission (COA))の発行を開始しました。配偶者ビザ保持者が米国で就労するためには、COAがE-1S、E-2S、L-2Sと記載されたフォームI-94が必要です。しかしながら、新たなCOAが導入されて以来、E-1、E-2、Lビザの配偶者の情報が誤って記録されているという報告が当事務所にも多数届いているのが現状となっています。

フォームI-94の内容に誤りがある、または自身のフォームI-94が検索ウェブサイトで見つからない場合は、当事務所の移民法弁護士までお気軽にご連絡ください。

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