月刊 ビジネス移民法ニュース-2011年11月

Date: 10/27/2011
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2011年11月)

USCISは、2012年会計年度において、米国の大学の修士以上の学位取得者を対象とするH-1Bビザの発行別枠が上限に達したことを発表-ただし普通枠での嘆願はまだ受付可能

 米国市民権移民サービス(U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS))は、2011年10月21日、2012年会計年度(2011年10月1日から2012年9月30日まで)において、米国の大学の修士以上の学位取得者を対象とするH-1Bビザの発行別枠が上限に達したことを発表した。本発行別枠の上限は20,000であった。今後別枠に対して提出される嘆願は、普通枠で処理される。一方、2011年10月21日付けで普通枠により受理されたH-1Bビザの嘆願数は、46,200件であった。別枠の上限が満たされたため、今後普通枠で受理される嘆願数は、一週間に1,500から2,000に上ると推定される。本普通枠の上限が満たされた場合、本会計年度における嘆願受理は終了し、次期会計年度発行枠での受付が開始されるのは、2012年4月1日からとなる。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、就労許可カードおよび市民権証書のデザイン変更を発表

 USCISは、就労許可カード(Employment Authorization Document (EAD))の質の向上と市民権証書のデザイン変更に着手すると発表した。新規のデザインは、安全性と詐欺防止の機能が強化されたものとなっている。新デザインのEADカードはすでに発行されており、新デザインの証書も2011年10月30日から発行される。EADカードおよび証書ともに外観は新しいが、申請方法や受取方法は以前と変わらない。また、現行のEADカードは、有効期限が切れるまでは使用可能であり、新規のカードを申請する必要はない。

USCISは、H-1Bビザの枠内申請の処理方法として提案されていた抽選システムの採用を断念、承認通知の発行方法も再度変更

 USCISは、昨年、雇用主によるH-1Bビザの枠内申請方法を将来変更する予定があることを指摘した。本提案の中で、USCISは、H-1Bビザの発行枠(以前にも指摘したように、普通枠の上限は現在65,000であり、  


米国の大学で修士以上の学位を取得した人を対象とする別枠の上限は、20,000である)に基づく嘆願の受理方法を電子抽選システムに移行していくと述べた。

しかしながら、USCISは、H-1Bビザ嘆願に関する高度な登録手続が、ビジネスに多くの支障をきたすとの意見が利害関係者から出ていることから、実施のための最終規則の発行を見合わせることを表明した。USCISは、その規則案の目標が、現在進行中の変革への取り組みの枠組みの中でどのように達成できるかをまず査定する必要があるため、2012年4月1日に開始する2013年会計年度(2012年10月1日から2013年9月30日まで)におけるH-1Bビザ枠内申請で、そのシステムが運用されることはないだろうと述べた。

 USCISは、2011年9月に承認通知の発行方法を変更した。同変更は、一般へ事前に通知することなく行われた。しかし、変更後2週間してから行われた利害関係者との会議で、同変更が利害関係者に影響を与えることが判明した。USCISは、利害関係者からの意見を検討した後、承認通知の発行方法を従来の方式に戻すことを決定した。つまり、承認通知の原本は、以前と同様にフォームG-28記載の弁護士、または容認された代表者の住所に郵送され、その写しは、申請者または嘆願者に送られる。USCISは、従来の手続に戻すにはシステムのプログラムを修正する必要があり、同変更が発効するには約6週間かかることを指摘した。

ICEは、トライ・バリー大学に通っていた多くのF-1ビザ留学生の滞在資格について最新情報を提供

 国土安全保障省 (U.S. Department of Homeland Security (DHS))、米国国務省(U.S. Department of State (DOS))、および移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement (ICE))の当局者は、トライ・バリー大学(Tri-Valley University)に通っていたインド人留学生に関する問題を議論するために、ワシントンDCにあるインド大使館の代表と会合した。ICEは、2011年1月に大学を捜査・閉鎖し、留学生・交換訪問者情報制度 (Student Exchange Visitor Information System(SEVIS))へのアクセスを取り消した。また、トライ・バリー大学のオーナーは、移民法詐欺に基づく主張により刑事責任に問われた。

 ICEは、同大学に在学する千人を超えるインド人留学生を個別に調査したことを報告した。それによれば、同大学の学生の約95%は、インド人とのことである。ICEは、そのうちの約435人を他の大学に転校させることを承認したが、約145人の学生に対しては転校願いを却下し、「却下意図の通告(Notice of Intent to Deny (NOID))」を発行した。

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DOSは、2011年11月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーにおけるプライオリティー・デートは、継続して進展

 米国国務省(U.S. Department of State (DOS))の発表した11月号ビザ・ブリテンは、雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーの全てにおいてプライオリティー・デートが継続して進展している。

 特に、大きな動きがあったのは、EB-2インド人と中国人のカテゴリーであった。DOSは、過去2,3カ月間にこれらのカテゴリーにおけるプライオリティー・デートを実質的に進展させた理由として、移民ビザの需要を十分引き出すためであったと説明している。しかしながら、このような動きが本会計年度を通して継続するものではないことを強調した。

 以下の表は、2005年10月における雇用に基づく移民ビザのプライオリティー・デートの後退から現在までの状況を各カテゴリー別にまとめたものである。



Dec 2007

Jun 2008

Aug 2009

Mar 2010

Sep 2011

Oct 2011

Nov 2011

EB-3 World

09/01/02

03/01/06

U

12/15/02

11/22/05

12/08/05

12/22/05

EB-2 China

01/01/03

04/01/04

10/01/03

07/08/05

04/15/07

07/15/07

11/01/07

EB-3 China

10/15/01

03/22/03

U

12/15/02

07/15/04

08/08/04

08/22/04

EB-2 India

01/01/02

04/01/04

10/01/03

02/01/05

04/15/07

07/15/07

11/01/07

EB-3 India

05/01/01

11/01/01

U

07/01/01

07/08/02

07/15/02

07/22/02

EB-3 Other Workers

10/01/01

01/01/03

U

06/01/01

08/01/05

09/15/05

11/15/05

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インドの米国領事館では、現在H-1Bビザの申請を日常的に却下

 インドの米国領事館は、米国のコンサルタント会社で雇用されている(または雇用のオファーを受けた)H-1Bビザの申請者に対し、H-1Bビザの発行を日常的に却下し始めた。インドの米国領事館では、H-1B資格者に対する雇用が、エンド・ユーザーの会社ではなく、H-1B資格の雇用主に適切に管理されていることを確認するために、H-1Bビザの申請に対する調査を強化している。H-1Bビザの申請者が非移民ビザ面接の際、このような管理要件を満たす情報と書類を提供できない場合、領事館によっては、H-1B資格の雇用主から更なる情報と書類の提出を要求する。その後、提出された書類と情報をDOSの詐欺防止部署(Fraud Prevention Unit (FPU))に転送し、間違いのないことを確認する。こうした確認手続は数週間に及ぶ可能性がある。しかしながら、領事館によっては、申請を即座に却下し、嘆願撤回の勧告書を添えてUSCISにその嘆願を返却しているところもある。コンサルタント会社で働くH-1B資格の従業員に対するH-1Bビザの発行がインドにおいて不確実であるところから、インドの米国領事館を通してH-1Bビザを申請する必要のある多くのインド人は、この時期に渡航するのを中止している。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

 本記事およびその他移民法に関するご質問は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

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