月刊 ビジネス移民法ニュース-2011年10月

Date: 10/4/2011
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2011年10月)

2013年度の永住ビザ抽選(DV-2013)の申請登録期間は、2011年10月4日から11月5日まで

米国国務省(U.S. Department of State (DOS))は、2013年度(2012年10月1日から2013年9月30日まで)の永住権者の多様化ビザ抽選プログラム(the Diversity Immigrant Visa Lottery Program, 以下 「DV-2013」という。)に関する情報を発表した。国務省は、日本を含む、米国への移民人口の低い国の人々に対して、年間50,000人分のグリーン・カードを発給する。

昨年と同様、2013年政府会計年度の本プログラムにおける大きな変更点は、DOSによる当選者への通知方法がオンラインのみになったことである。2012年5月1日から、応募者は、http://www.dvlottery.state.goEntry Status Checkサイトを通じて応募状況を確認できるようになる。さらに、当選者は、同サイトでビザ申請手続の方法やビザ面接予約も確認できる。従って、各応募者は、DOSのウエブサイトで当選状況をチェックしなければならず、郵送やEメールによる当選通知は廃止されたことに注目されたい。さらに、当選者に対するビザ申請手続の説明もEntry Status Checkサイトでのみ発表される。

この永住ビザ抽選プログラムでグリーン・カードを取得するためには、一定の資格要件を満たす外国人でなければならない。抽選ビザの応募者の中から、コンピュータが無作為に当選者を選出する。ビザ抽選によるグリーン・カードは、6つの地域のうち、米国への移民率の低い国に対して、より多くのグリーン・カードが発給され、逆に、過去5年間に米国へ50,000人以上の移民を送り込んだ国には、一切発給されない。これら6つの地域の中で、1つの国に対して発給されるグリーン・カードの数は、その年度のグリーン・カードの発給割当数の7パーセントを超えることはない。


DV-2013プログラムへの参加資格を与えられない国

以下の国々は、家族および雇用に基づく移民ビザ分類で主な移民を送り込んでいるため、または「移民率が高い」ため、DV-2013プログラムへの参加資格がない。すわなち、ブラジル、カナダ、中国(本土生まれ)、コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサドバドル、ガテマラ、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、パキスタン、フィリピン、ペルー、韓国、英国(アングィラ島、バミューダ諸島、英国領バージン諸島、ケイマン諸島、フォークランド諸島、ジブラルタル、モントセラト島、ピトカム、セント・ヘレナ島、タークス・カイコス諸島を含むが、北アイルランドは除く)、およびベトナムである。香港特別自治区、マカオ特別自治区および台湾は、永住ビザ抽選の応募資格が与えられる。DV-2013プログラムへの応募資格を与えられた国は、別表Aに記載されている通りである。

 (別表Aについては、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

昨年と異なり、ポーランドおよび南スーダンは、DV-2013プログラムへの参加資格を得たが、バングラディッシュは、参加資格を失った。

新登録手続方法

DV-2013プログラムへの応募はコンピュータで行うことが義務付けらている。応募期間は、2011年10月4日(火)正午(東部標準時)から2011年11月5日(土)正午(東部標準時までである。DOSは、郵送による申請書は受け付けず、電子的な申請のみ受け付ける。この60日間の応募期間中に、応募者は、永住抽選ビザプログラムのウエブサイトwww.dvlottery.state.govから応募票にアクセスし、登録することができる。本登録期間中に応募できるのは、1人につき1回のみである。同人物が2回以上応募した場合、その申請者は、出身国を問わず、資格を喪失する。

 DV-2013プログラムの応募手続きは以下の通りである。

応募票 DOSは、応募期間中に、応募者が、永住抽選ビザプログラムのウエブサイトwww.dvlottery.state.govを通して電子的に提出した多様化永住ビザ申請登録のみを受け付ける。同一人物が2回以上申請登録した場合、その申請者は資格を喪失する。申請者は、登録に際し、以下の質問に答えなければならない。

1. 申請者の氏名

2. 申請者の生年月日

3. 性別

4. 申請者の出生地 (市町村)

5. 申請書の出生地 (国名)

6. 出身国の応募資格の有無

7. 申請者の写真を添付。要領については、以下に記載する「写真の要件」に従うこと。

8. 現在の郵便の宛先

9. 現在住んでいる国

10. 電話番号(記載自由)

11. E-メール・アドレス

12. 最終学歴

13. 婚姻の有無

14. 申請者の子供(未婚で21歳未満)の人数。(適格な子供は全員記載すること。記載漏れがあった場合、その申請者は資格を喪失し、ビザの面接時に全てのビザを却下される結果となる。)

15. 申請者の配偶者情報: 氏名、生年月日、性別、出生地(市町村)、出生国、および、以下に記載する「写真の要件」を満たした写真。(配偶者情報を記載しないと、その申請者は資格を喪失し、ビザの面接時に全てのビザを却下される結果となる。)

16. 申請者の子供に関する情報: 氏名、生年月日、性別、出生地(市町村)、出生国、および以下に記載する「写真の要件」を満たした写真。申請者の子供は全て記載すること。子供の記載漏れがあった場合、その申請者は資格を喪失する。

17. 署名は不要。新規に電子的応募票が採用されたため、従来の応募票に要求された署名は不要となった。

写真の要件

 申請者は、申請者の配偶者および21歳以下の全ての子供(嫡出子、法的な養子および継子。ただし、すでに米国の市民権、または永住権を取得している子供は除く)の写真を提出しないと失格となる。子供が申請者と同居しておらず、永住ビザ抽選(DV-2012)プログラムでグリーン・カードを取得する意思がない場合でも、その子の写真は必要である。写真は、応募票と共に電子的に添付しなくてはならない。写真は各自別々でなければならない(家族で一緒に撮ったもの、グループで撮ったものは不可)。従って、申請者、申請者の配偶者および子供は、各自のデジタル写真を応募票と共に、オンラインで提出しなければならない。デジタル写真は、デジタル・カメラで撮った写真、または写真をデジタル・スキャナーでスキャンしたもので、以下の要件を満たしていなければならない。

新しいデジタル写真

1. 写真は、ジェイペグ(JPEG)の国際規格に従ったもの。

2. 写真は、カラー写真で(色彩の濃度は)1ピクセルにつき24ビットでなければならない。(白黒写真また8ビットのものは、不可)

3. サイズは、最高240キロバイツまで受け付ける。

4. 大きさは、最低幅600ピクセル、高さ600ピクセルで、幅と高さは同じ長さでなければらない。

スキャンした写真

5. 写真をスキャンする場合、解像度は、1インチに最低300ドットでなければならない。

6. 写真は、ジェイペグ(JPEG)の国際規格に従ったもの。

7. サイズは、最高240キロバイツまで受け付ける。

8. イメージ現象度は、600 x 600ピクセルでなければならない。

9. 写真は、カラー写真で(色彩の濃度は)1ピクセルにつき24ビットでなければならない。(白黒写真また8ビットのものは、不可)

その他の要件

10. 顔は、真っ直ぐカメラを向いていること。

11. 上向き、下向き、横向きは不可

12. 顔の大きさが写真全面の50%以上でなければならない。

13. 写真の背景は、明るい中間色であること。(かなり暗い色や柄のある背景の写真は不可)

14. 焦点の合っていない顔写真は不可

15. サングラス、その他顔を覆う装身具を着用して撮影した写真は不可

16. 宗教的な理由においてのみ、申請者が頭を覆うものや帽子を被った写真が認められる。ただし、顔を少しでも覆ったら不可

DOSによる応募処理

申請者が応募票を提出すると、DOSは、応募票の受取確認通知を電子的に申請者に送ってくる。応募資格を満たした申請者の中から、コンピュータが無作為に当選者を選出する。全ての応募者は、DOSのウエブサイトで当選状況をチェックしなければならず、2012年5月1日以降、Entry Status Check (DOSのウエブサイト) のみが、当選通知の手段となる。 郵送やEメールによる当選通知は廃止されたことに注目されたい。DOSは、DV-2013永住ビザ抽選プログラムの応募者の中から通常約100,000人の当選者を選出し発表する。ただし、実際にグリーン・カードが発行されるのは、年間の発行割当数(50,000人分)に合わせた、その半分の50,000人となる。このビザ抽選プログラムの当選者にグリーン・カードが発行されるのは、2012年10月1日から2013年9月30日までである。ただし、発行割当分を超えた人数が当選者として登録されているので、移民ビザの取得を希望する当選者は、発表を確認後、速やかに手続を進める準備をしなければならない。DOSは、無作為の抽選に当選したからといって必ずしもグリーン・カードが取得できる保証はないことを強調した。

教育または職業経験

永住ビザ抽選プログラムに応募するためには、申請者は、高卒以上またはそれと同等の資格を有しているか、過去5年間に、少なくとも2年間の訓練または経験を必要とする職業に就いた職務経験が2年以上なければならない。高卒またはそれと同等とは、米国の高卒に相当する12年間の初等および中等教育を受けているものと定義される。教育または職業経験を証明する書類は、応募票と共に提出してはならないが、ビザの変更または滞在資格変更のために領事館で面接を受けるときに、領事職または市民権移民局(U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS))の係員に提出しなければならない。職業経験の資格は、DOLのO*Netというオンライン・データベースに基づいていなければならない。

永住ビザ抽選プログラムへの応募は無料

DOSは、毎年行われる永住ビザ抽選多様化プログラムへの応募は、無料であることを指摘するとともに、このプログラムの実施に当たり、外郭団体または民間サービスを雇用しないことを強調した。申請者から直接電子的に提出された応募票は、応募資格を満たす限り、有償で申請を委託された代理人により電子的に提出された申請書と同様に、DOSのケンタッキー領事センターのコンピュータで平等に選出されるチャンスがある。ただし、申請者または申請委託代理人が一人につき2つ以上の申請をすると、このプログラムから失格する。抽選多様化処理手続き特別料金は、抽選に「当選」し、「グリーン・カード」を発給される者が後日支払えばよい。

(別表Aについては、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOSは、2011年10月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザのプライオリティー・デートは継続して進展‐‐ただし近い将来動きが鈍化・停止する可能性

 DOSは、2011年ビザ・ブリテンを発表した。新政府会計年度が10月1日に開始したことから、雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのプライオリティー・デート(嘆願申請受付開始可能日)はほとんど(または全く)変化しないだろうと予測されていたが、DOSは、本会計年度の初期の段階で移民ビザへの「需要を十分引き出す」ために、雇用に基づく移民ビザの全カテゴリーでプライオリティー・デートを進展させた。ただし、需要が十分に増えてくれば、プライオリティー・デートの動きを鈍化または停止させる必要があるかもしれず、さらには後退させざるを得ないかもしれないことを警告した。

 以下の表は、2005年10月における雇用に基づく移民ビザのプライオリティー・デートの後退から現在までの状況を各カテゴリー別にまとめたものである。

Dec 2007

Jun 2008

Aug 2009

Mar 2010

Aug 2011

Sep 2011

Oct 2011

EB-3 World

09/01/02

03/01/06

U

12/15/02

11/01/05

11/22/05

12/08/05

EB-2 China

01/01/03

04/01/04

10/01/03

07/08/05

04/15/07

04/15/07

07/15/07

EB-3 China

10/15/01

03/22/03

U

12/15/02

07/08/04

07/15/04

08/08/04

EB-2 India

01/01/02

04/01/04

10/01/03

02/01/05

04/15/07

04/15/07

07/15/07

EB-3 India

05/01/01

11/01/01

U

07/01/01

06/01/02

07/08/02

07/15/02

EB-3 Other Workers

10/01/01

01/01/03

U

06/01/01

05/01/05

08/01/05

09/15/05

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

2012年会計年度におけるH-1Bビザの枠内申請は、まだ受付可能

 USCISは、2012年会計年度(2011年10月1日から2012年9月30日)におけるH-1Bの枠内申請についての最新情報を発表した。昨年と同様、H-1Bの発行枠の上限は、普通枠で65,000、米国で修士以上の学位を取得した外国人を対象とする別枠で20,000となっている。雇用主は、2012年会計年度の開始する2011年10月 1日の6ヶ月前、すなわち、2011年4月1日から嘆願書を提出することができる。2012年会計年度におけるH-1Bの枠内申請の最初の提出期間は、2011年4月1日から4月7日までであった。この期間にUSCISが受理した嘆願数は、約5,900件であったが、これは通常この期間に受理する嘆願数に比べはるかに少なかった。

 USCISは、2011年9月9日付で受理した2012年会計年度の枠内嘆願数が、普通枠で32,200件、別枠で約16,700件であったと発表した。USCISは、現在、普通枠に対しては約1,200件、別枠に対しては700件の嘆願を1週間で受理しており、発行枠の上限が満たされるまでは嘆願を受け付ける。

DOLは、大学の講師に対するPERMの選択的特別求人手続要件を再度変更

 当事務所のビジネス移民法ニュース2011年8月29日版に掲載したように、米国労働省(U.S. Department of Labor (DOL))は、PERMの選択的特別求人手続において、雇用主による電子的な専門誌(全国紙)の使用を許可することを指摘した。今回の発表の後、DOLは、指示書を修正し、雇用主に対する要件をより柔軟なものにした。ただし、雇用主は、少なくとも暦の30日間、専門誌のウエブ・サイトに求人広告を掲載した事実を証明する義務からは免れない。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOLは、H-2Bプログラムにおける新平均賃金決定方法の実施を延期

 2011年7月31日版ビジネス移民法ニュースに掲載したように、DOLは、H-2Bプログラムにおける平均賃金の決定方法を修正した。当初、DOLは、その新たな平均賃金決定方法を2011年10月1日から発効させる予定でいたが、係争中の訴訟により発効日を2011年11月30日まで延期した。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DHSは、外国人留学生のビザ手続を合理化するために新たなウエブサイトを発足

 国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security (DHS))は、米国に留学を希望する外国人留学生の学生ビザ手続を合理化するための新たな取り組みを発表した。「Study in the States(米国留学)」と呼ばれるその取り組みは、規則の変更を調査し、政府と大学間の情報量を拡張し、DHS及び他の政府機関が、学生に最新のビザ関連要件を合理的かつ使いやすい書式で提供するために、オンラインの情報中心拠点を提供するものである。Study in the Statesのウエブサイト (http://studyinthestatesidhs.gov) は、

1. 例えば、学生自身の「Road Map to Success(成功へのロード・マップ)」に沿って、学生ビザ手続の各段階を視覚的に検索できるような対話型アクセスによる情報など、様々なソーシャル・メディア手段を用いている。

2. 外国人留学生、交換訪問者及び大学・研究機関に、ビザ関連要件及び情報を広めることを目的としたソーシャル・メディアのウエブサイトにリンクする。

3. ビデオ、公共広告/政府広報、及びその他の関連ニュースを掲載したブログがある。

USCISは、雇用主及び申請者本人に直接承認通知を送付することを開始

2011年9月12日に、USCISは、フォームI-797(受取及び承認通知)の原本を雇用主と申請者本人に直接送付することを開始した。以前は、受取及び承認通知の原本は、登録弁護士又は権限のある代表者(該当する場合)に送付されていた。USCISは、事前に公共に諮ったり発表したりせずに送付先の変更を行ったが、同変更が利害関係者に影響することが分かり、中止することも考慮された。しかしながら、更なる検討の結果、同変更を実施する運びとなった。年内に発足する改革手続の第1弾についての更なる情報は、次回のビジネス移民法ニュースに掲載する。

DOSは、J-1プログラムにおける法の遵守状況調査を開始

 DOSは、J-1夏期労働・旅行プログラムにおける法の遵守状況調査を完了することを発表した。DOSは、本プログラムにおいて、J-1ビザの指定後援会社が51社あり、そのうち、これから行われる調査の対象となる14社を明らかにした。これら14の後援会社は、夏期労働・旅行プログラムの参加者の約65パーセントを占める。本調査は、2011年10月から12月の間に完了する。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICEは、ESLプログラムに参加したF-1ビザのリビア人留学生に対する特別学生救済措置を拡張

 移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement (ICE))は、ESLプログラムに参加したF-1ビザのリビア人留学生に対する特別学生救済措置(当事務所の2011年6月27日版ビジネス移民法ニュースを参照)を拡張すると発表した。ESLプログラムに参加したF-1ビザのリビア人留学生は、教科課程の修了に向けて順調に学習を進めている限り、履修科目を減らすことができ、正社員の就労資格も付与される。

 本記事およびその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

 また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香または徳吉 史子(tel:312.245.7500までご連絡ください。