月刊 ビジネス移民法ニュース-2011年7月

Date: 6/29/2011
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2011年7月)

DOS は、2011年7月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどで進展あり

 米国国務省(The U.S. Department of State (DOS))は、2011年7月号ビザ・ブリテンを発表した。それによれば、「EB-3その他の労働者(中国人)」を除く全ての移民ビザ・カテゴリーで、プライオリティ・デートが進展している。特に「EB-2中国人」および「EB-2インド人」において、大きな進展があった。その理由は、EB-1カテゴリーにおける需要が少なく、未使用の分が他のカテゴリーに割り当てられたためである。

 以下の表は、2005年10月における雇用に基づく移民ビザのプライオリティ・デートの後退から現在までの状況を各カテゴリー別にまとめたものである。

Dec 2007

Jun 2008

Aug 2009

Mar 2010

May 2011

June 2011

July 2011

EB-3 World

09/01/02

03/01/06

U

12/15/02

08/22/05

09/15/05

10/08/05

EB-2 China

01/01/03

04/01/04

10/01/03

07/08/05

08/01/06

10/15/06

03/08/07

EB-3 China

10/15/01

03/22/03

U

12/15/02

04/15/04

05/15/04

07/01/04

EB-2 India

01/01/02

04/01/04

10/01/03

02/01/05

07/01/06

10/15/06

03/08/07

EB-3 India

05/01/01

11/01/01

U

07/01/01

04/15/02

04/22/02

05/01/02

EB-3 Other Workers

10/01/01

01/01/03

U

06/01/01

09/08/03

09/15/05

11/22/04

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

2012年会計度に基づくH-1Bの枠内申請はまだ受付可能

 米国市民権移民サービス(The U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS))は、2012年会計年度(2011年10月1日から2012年9月30日)におけるH-1Bの枠内申請について発表した。従来どおり、   


H-1Bの発行枠の上限は、普通枠で65,000、米国で修士以上の学位を取得した外国人を対象とする別枠で20,000となっている。雇用主は、2012年会計年度の開始する2011年10月1日の6ヶ月前、すなわち、2011年4月1日から嘆願書を提出することができる。2012年会計年度におけるH-1Bの枠内申請の最初の提出期間は、2011年4月1日から4月7日までであったが、この期間にUSCISが受理した嘆願数は、約5,900件であった。

 USCISは、2011年6月24日付けで受理した2012年会計年度の枠内申請数が、普通枠で約17,400件、別枠で約11,300件であったと発表した。

 USCISは、発行枠の上限が満たされるまでは嘆願を受け付ける。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

米国最高裁判所は、不法労働者を意図的に雇用した雇用主を罰するアリゾナ州法を支持

 米国最高裁判所は、不法労働者を雇用した企業を罰するアリゾナ州法を支持する決定を発表した。各州は、連邦移民法に従い、不法労働者を雇用した雇用主を制裁する権限を有すると述べた。アリゾナ州は、アリゾナ州法に基づき、不法労働者を意図的に雇用した雇用主の営業免許を取り消すことができ、また、アリゾナ州の雇用主に対し、USCISのE-Verify System(電子確認制度)の使用を義務付けている。本裁判所は、アリゾナ州法の営業免許規程が連邦法により無効とされることはなく、雇用主に対するE-Verifyの使用義務も、連邦政府の就労資格確認計画と矛盾しないとの判断を示した。

 しかしながら、この最高裁判所の決定により、他州も雇用主に対してE-Verify Systemの使用を義務付ける類似の法律を通過させる可能性がある。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICEは、I-9検査の再開を発表

 移民関税執行局(Immigration and Custom Enforcement (ICE))は、1,000社の企業に対しフォームI-9(就労資格確認書)の検査を行う旨を通知した。今回の検査により、2011年会計年度(2010年10月1日から2011年9月 30日まで)においてICEの監査対象となる企業は、昨年の2,196社を超えて2,338社に及び、また2011年会計年度において現在までに科された制裁金は、2010年会計年度を通して科された690万ドルを超えて710万ドルに達した。ICEは、企業の大小を問わず全米の雇用主に対して、フォームI-9の検査通知を送付し、今回の調査は、食品製造、情報技術、金融サービスおよび建設などの重要な基幹産業に焦点を絞って行われると述べた。

DHSは、雇用主による州政府へのE-Verifyの情報開示を許可

 国土安全保障省(The U.S. Department of Homeland Security (DHS))は、2008年サウス・カロライナ州移民法で規程されているように、サウス・カロライナ州の雇用主がE-Verifyの情報をサウス・カロライナ州の労働局に開示できるようになることを発表した。これまでサウス・カロライナ州の雇用主の中には、DHSとの契約により、E-Verifyのいかなる情報も州の労働局に開示することができないという理由で、州の労働局に対しその情報の提供を拒んだ者もいた。そのため、サウス・カロライナ州知事は、この契約により、州の移民法を執行することができないとDHSに苦情を申し立てた。DHSは、E-Verifyを使用する多くの雇用主とその代理人に対し、彼等がサウス・カロライナ州の労働認可規程部署(South Carolina Labor License and Regulation (LLR) Department)へ直接情報を開示しても良い旨をEメールで通知した。雇用主にE-Verifyシステムを使用することを義務付けているその他の州も、その州の移民法を執行できるように、将来DHSに同様の便宜を要求する可能性がある。

USCISは、E-Verifyについての最新情報を発表

 USCISは、E-Verifyシステムの最新版を発表した。これにより、使用者はデータ確認をする際、6文字から9文字で構成される米国のパスポート番号の英数字を入力することができ、特殊記号を入力する必要がなくなった。また、ビザ番号の入力についても、8文字までの英数字を記入でき、特殊記号を入力する必要がなくなった。さらに、雇用主は、365日先の雇用日まで記録できるようになった。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、E-Verify RIDEプログラムを導入

 USCISは、RIDE (Records and Images from DMV for E-Verify) の試験的プログラムを開始                                                                       することを発表した。RIDEを使用する最初の州はミシシッピ州である。このプログラムの新たな特徴としては、フォームI-9手続において身分証明書として提示された従業員の運転免許証の真性さをE-Verifyで確認することができるいう点が挙げられる。USCISは、フォームI-9手続の際、従業員の80%以上が運転免許証を身分証明書として提示することを指摘した。RIDEは、E-Verifyで運転免許証のデータと州の記録とを比較できるようにすることでE-Verifyの情報の正確性を高めることを目的として作成されている。これにより、雇用主が従業員の米国での就労資格を確定する際に、書類上の詐欺を防止することができるようになる。以前は、フォームI-9手続において、従業員が身分証明および就労資格の証明手段として、社会保障カードと運転免許証を提示した場合、E-Verifyで確認できたのは、社会保障番号(SSN) だけであったが、RIDEプログラムでは、その両方を確認できるだけでなく、州が発行した身分証明書(state-issued ID card)も確認できる。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICE下の SEVPは、特定のリビア人留学生に対する就労許可を発表

 ICEは、留学生・交換訪問者プログラム(Student and Exchange Visitor Program (SEVP))において、2011年2月に勃発したリビアの市民暴動から続く社会不安により、重大な経済的打撃を蒙った特定のリビア人F-1ビザ留学生に対して、特別な救済措置を提供することを発表した。本救済措置は、2011年2月1日の時点でF-1ビザを有し、SEVP に基づくSEVIS(留学生・交換訪問者情報制度)参加校の適格な学生であった者にのみ適用される。この特別救済措置により、適格なリビア人F-1ビザ留学生には、就労が許可されるとともに、必要であれば学費の減額が適用される。現在米国には、SEVPに基づくリビア人留学生が約2千人滞在しているとのことである。DOSは、特定のリビア人J-1交換訪問者に対しても同様の救済を施すことを発表した。F-1およびJ-1ビザのリビア人留学生に対する本救済措置は、少なくとも2011年12月31日まで継続する。

  本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

  また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問・コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。