月刊 ビジネス移民法ニュース-2011年3月

Date: 3/3/2011
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2011年3月)

USCISは、H-1B枠内申請について新たな事前登録手続を提案

 米国市民権移民サービス(USCIS)は、発行枠に基づくH-1B案件に関して事前登録制度の設置を提案した。事前登録制度の対象は、H-1B枠内嘆願申請のみである。USCISは、H-1Bの枠内嘆願申請に関する管理負担と費用を最低限に抑えることで、向こう10年間で23,000,000ドルを米国企業が節約できるように、本制度を提案したと述べた。

 提案された制度に基づくと、H-1Bの枠内嘆願申請を行う予定の雇用主は、まずUSCISに特定の情報を電子的に登録する。登録手続は30分で完了する。USCISは、登録期間の終了後、H-1B発行枠の上限を目安に、登録された雇用主の選出を行う。H-1Bの嘆願申請が開始されるのは、この選出手続が完了してからである。選出された雇用主は、H-1Bの嘆願書を全ての裏付書類(米国労働省(DOL)が承認した労働条件申請書(LCA)を含む)と共に、所定の期日までにUSCISに提出する。USCISは、選出された雇用主が嘆願手続を行うのに必要な猶予を十分与えるだろうと推定される。

 USCISは、本制度が提案の段階であることを強調した。かかる規則は2011年4月1日から開始する2012年会計年度のH-1B枠内申請(就労開始日は2011年10月1日)のために発効するものではない。USCISは、60日間の意見調査期間を設け、その後最終規則を発表する。2012年1月までに最終規則が発表されれば、本新登録制度を2013年会計年度のH-1B枠内申請(2012年4月1日開始)に導入することができるかもしれない。

2012年度会計年度H-1B枠内申請受付は、2011年4月1日から開始-外国人従業員のために発行枠に基づくH-1B嘆願申請を行う予定の雇用主は、今から準備すべき

 2012年会計年度(2011年10月1日から2012年9月30日まで)におけるH-1B枠内申請受付は、2011年4月1日に開始する。最初の申請受付期間は、2011年4月1日から4月7日までである。H-1Bの普通枠の上限は、65,000件、別枠(米国で修士以上の学位を取得した外国人対象)の上限は20,000件である。最初の受付期間にこれらの発行枠を上回る嘆願が提出された場合、無作為の選出手続が行われる。このような事態が発生した場合、USCISは、選出された嘆願に対してのみ裁定を行い、選出の対象にならなかった嘆願は裁定されずに返却される。

過去2年間の会計年度において、H-1B発行枠は最初の受付期間に上限に達しなかった。その一因として、米国の経済が不況であったこと、USCISによるH-1B嘆願に対する考査がより厳しくなったことなどが挙げられる。しかしながら、現在は経済状況が好転していることから、H-1B発行枠の上限が短期間で満たされる可能性もある。

 H-1Bの枠内嘆願数が、普通枠および別枠合わせて166,000件に達したという2009年会計年度における例もあるため、本申請を予定する雇用主は、最初の受付期間に間に合うように嘆願を提出するようにお勧めする。

DOSは、2011年ビザ・ブリテンを発行-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどで緩慢な動き

 米国国務省(DOS)は、2011年3月号ビザ・ブリテンを発行した。雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーの動きは非常に緩慢であり、全く進展のないものもある。その中で最も進展が見られたのは、EB-3世界のカテゴリーであった。

 以下は、2005年10月における雇用に基づく移民ビザのプライオリティー・デート後退から現在までの状況を表にまとめたものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Aug 2009

Jan 2011

Feb 2011

Mar 2011

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

U

03/22/05

04/01/05

07/01/05

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

10/01/03

06/22/06

07/01/06

07/08/06

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

U

12/15/03

01/01/04

01/22/04

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

10/01/03

05/08/06

05/08/06

05/08/06

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

U

02/01/02

02/22/02

03/15/02

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

U

04/22/03

05/01/03

06/15/03

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、転居届の宛先を変更

 USCISは、2011年3月15日付けで、転居届(フォームAR-11および AR-11SR)の宛先を次のように変更する予定である。

DHS/USCIS

Harrisonburg File Storage Facility

Attention: AR-11

1344 Pleasants Drive

Harrisonburg, VA 22801

 全ての非市民(永住権者を含む)は、転居後10日以内に住所変更を届けなければならない。通知方法は、郵送のほかに、オンラインwww.uscis.gov/ar-11 による方法もある。

DOSは、J-1交換訪問者プログラムの現場調査を開始

 DOSは、大学や私的機関で実施されている交換訪問者プログラムの現場調査を開始した。現場調査の対象は、全J-1参加者の約25%を占める最も規模の大きい21ヶ所の本プログラム後援者である。現場調査は約2日間におよび、プログラム関係者の面接と書類の調査が行われる。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、EADとアドバンス・パロール・カードの兼用カードを発行

 USCISは、特定の滞在資格変更申請者に対し、就労許可書(EAD)とアドバンス・パロール・カード(グリーンカード申請中の入国許可証)の兼用カードを発行すると発表した。申請者は、別々の申請書に料金(必要な場合)を添えて提出する必要があるが(同じ封筒に入れて送ってもよい)、2つの申請を同時に提出すると、USCISから兼用カードを発行してもらえる可能性がある。ただし、EADまたはアドバンス・パロール・カードの更新は、有効期限が切れる4ヶ月前まで行うことができない。従って、それぞれのカードの有効期限が同じでない場合、更新申請を同時に提出して兼用カードを取得することはできない。兼用カードの発行が認められない場合は、従来通り、EADとアドバンス・パロール・カードは別々に発行される。(片方のカードが失効している場合は、もう一方のカードの更新手続をする際に一緒に申請書を提出すれば、兼用カードを発行してもらえる可能性はある)。

USCISは、VIBEのベータ・テストを継続

2011年2月1日付けの当事務所のビジネス移民法ニュースに掲載したように、USCISは、企業確認(Validation Instrument for Business Enterprises、以下「VIBE」という)プログラムのベータ・テストを現在行っている。USCISは、雇用に基づくグリーン・カード嘆願および非移民就労ビザ嘆願を裁定する際、VIBEプログラムを運用することにより、Dun & Bradstreetのデータ・ベースにアクセスして会社情報を取得できるようになる。Dun & Bradstreetのシステムの情報が不正確もしくは不十分で、会社の存在が確認できない場合、USCISは、裏付の要請 (Request for Evidence、以下「RFE」という)を発行するが、そのRFE の雛形(「VIBE RFE」)が開発された。当事務所は最近、大小様々な企業についてのVIBE RFEを受けている。これらの企業は、Dun & Bradstreetのデータ・ベースに記録された自社情報を更新するように求められている。そのうちのいくつかは、当該データ・ベースの情報が正確である旨Dun & Bradstreetに連絡済みである。ただし、USCISがDun & Bradstreetからどこまで完全で正確な情報を取得しVIBEシステムに投入しているかは不明である。現在までのところ、フォームI-129(非移民就労ビザ嘆願書)に関するベータ・テストは、USCISのバーモント・サービス・センターで行われており、フォームI-140(雇用に基づくグリーン・カードの申請のための嘆願書)に関するベータ・テストは、テキサス・サービス・センターで行われているようである。

増田・舟井ニュース

増田・舟井が、SEVISプログラムの撤回通知を受けた学校の防御に成功

 増田・舟井法律事務所は、留学生・交換訪問者情報制度(SEVIS)プログラムの撤回通知(Withdrawal on Notice、以下「WON」という)を受けた学校をSEVPから防御し勝訴に導いた。

 2008年SEVPは、ある学校に対しF-1プログラムに違反したという理由で24ページに及ぶWONを発行した。これに対し、同校は、当事務所の支援を得て、WONの中で主張される違反はF-1規則による裏付がなく、また意図的なものでもないゆえ、SEVISプログラムの撤回を受ける必要はないと抗議した。

 2011年1月、SEVPの抗議担当チームは、F-1規則に違反していなかったという同校(および当事務所)の主張に同意する決定を発表した。同チームは、7つの主張のうち6つはF-1規則の裏付がないと結論づけた。また、SEVPは、残る1つの主張についても違反の程度が小さいため、WONを撤回し、同校のSEVISプログラムを存続させることに同意した。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

  本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

  また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問・コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください