月刊 ビジネス移民法ニュース-2011年2月

Date: 2/4/2011
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2011年2月)

USCISは、2011年会計年度において提出されたH-1Bの嘆願数が発行枠の上限に達したことを発表

 2011年1月27日、米国市民権移民サービス(USCIS)は、2011年会計年度(2010年10月1日から2011年9月30日まで)において提出されたH-1Bの嘆願数が2011年1月26日に発行枠の上限に達したことを発表した。従って、USCIS が2011年1月26日を過ぎてから受け取ったH-1Bの枠内申請は、却下される。2011年1月26日に受け取られた枠内申請は、2011年会計年度のH-1Bの発行枠を越えて受理されることがないように、無作為に選出される。2011年会計年度のH-1B発行枠の上限が満たされたのは、2010年度の場合より約1ヶ月遅かったことになる。

 2012年会計年度(2011年10月1日から2012年9月30日まで)において、H-1Bの枠内申請の受付が開始されるのは、2011年4月1日である。USCISは、2012年会計年度において、H-1Bの枠内嘆願提出手続を変更するつもりであることを非公式に指摘した。2012年会計年度  H-1B枠における発行数の上限は過去7年間と同じである。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOSは、2011年2月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどでプライオリティ・デートが少しずつ前進

 米国国務省(DOS)は、2011年ビザ・ブリテン2月号を発表した。雇用に基づく全ての移民ビザ・カテゴリーにおいて(EB-2インド人のカテゴリーを除く)、プライオリティ・デートが継続して数週間前進した。その中で最も顕著な進展が見られたのは、EB-3メキシコ人のカテゴリーであり、プライオリティ・デートが2003年4月から2003年7月となった。

 


 以下は、2005年10月における雇用に基づく移民ビザのプライオリティ・デート後退から現在までの状況を表にまとめたものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Aug 2009

Dec 2010

Jan 2011

Feb 2011

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

U

02/22/05

03/22/05

04/01/05

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

10/01/03

06/08/06

06/22/06

07/01/06

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

U

12/08/03

12/15/03

01/01/04

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

10/01/03

05/08/06

05/08/06

05/08/06

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

U

01/22/02

02/01/02

02/22/02

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

U

04/22/03

04/22/03

05/01/03

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DOSは、L-1B包括ビザの裁定を明確化するために海外の領事職に打電

 DOSは、全ての米国大使館・領事館に対し、L-1B包括ビザ申請の裁定について追加案内に関する電報を打った。追加案内を発表した理由は、明確な基準があれば、裁定が首尾一貫するので、各大使館・領事館の裁定基準に一貫性がないという懸念に対応することができるからであると述べた。

 本電報の中で、L-1Bの「専門知識」を定義する文言が単純明瞭でないことが確認された。DOSは、「専門知識」の定義を確定するためにUSCISの基準を採用した。同基準には、その知識が専有知識であるか否か、「主要な」人材に不可欠のものであるか否か、さらに、「常ならぬ特別なもの」であるか否かなどが含まれる。さらに、本電報は、専門知識の基準に加えて、「ジョブ・ショップ*」(Job Shop)の問題も取り上げている。2004年L-1ビザ改正法により、L-1Bカテゴリーにおける「ジョブ・ショップ」が規制対象となる可能性が加わった。本電報は、このような状況の場合、雇用主-従業員間の関係が存在するか否かを判断することが重要であると記載している。DOSは、「雇用主-従業員間」の関係の存在を判断するのに不可欠な要素は管理権であると述べ、本電報の中で2通りの管理権の判定方法を検討した。

本電報は、大使館・領事館に対しL-1B包括ビザの申請について一段と厳しい審査を促す指令と受けとめられているかもしれない。従業員のためにL-1B包括ビザの申請手続を行う雇用主(特にコンサルタント会社又は「ジョブ・ショップ」と分類される可能性のある会社の雇用主)は、かかる申請手続において更なる問題と困難に直面する可能性がある。

*ジョブ・ショップ(Job Shop)とは、例えば、IT関係の従業員を複数採用し、各従業員を必要に応じて他の会社に派遣するような会社のこと。

ICEは、新雇用準拠検査センターを設立-予測されるI-9監査の開始

 移民税関捜査局(ICE)は、最近、雇用準拠検査センター(Employment Compliance Inspection Center)の創設を発表した。本センターには、ICEの職場捜査をサポートする15人の監査官を配する。これら監査官は、米国内のICE出張所が行う就労資格確認書(フォームI-9)の監査を支援・促進することになっている。2009年会計年度から現在まで、ICEは、3,769件の企業に対してフォームI-9監査を行った。本センターは、相当数のフォームI-9を有する大企業を主に対象としたフォームI-9の監査を支援するために設立されている。ICEは大規模な職場捜査の一環として、全米にまたがるフォームI-9監査を近い将来開始するだろうと予想される。

USCISは、新VIBEプログラムの運用を開始

 USCISは、新企業確認プログラム(Validation Instrument for Business Enterprises Program、以下「VIBE」という)のベータ・テストを行う予定であることを発表した。VIBEは、特定の雇用に基づく移民ビザ(グリーン・カード)嘆願の裁定能力をより高めるために作成されたサイト・ツールである。VIBEの運用により、USCISは、ある会社の事業活動、財務状況、従業員数、海外関連会社、所有権および法的地位、幹部社員、会社設立日、現住所など、商業的に入手可能な様々な情報を電子的に取得できるようになる。移民ビザ嘆願の裁定者は、VIBEから提供されたそれらの情報を利用してビザ嘆願者の資格を確認できるようになる。嘆願者が提供した情報がVIBEプログラムに含まれる情報と異なる場合、USCISは、その不一致を解決するために裏付の要請(RFE)または却下意図の通告(Notice of Intent to Deny、以下「NOID」という)を発行する。

 また、嘆願が情報の不一致またはVIBEプログラムに含まれた誤情報により却下された場合、USCISは、当該嘆願者が却下に抗議するか否かを十分に判断できるように、VIBEプログラムに含まれた情報を嘆願者に提供することが予測される。

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ICEは、カリフォルニア州の大学を移民法詐欺に基づき閉鎖-約1,500人の外国人学生が滞在資格を失う可能性

 2010年1月19日、ICEの係官は、カリフォルニア州プレザントンにあるトライ・バリー大学(Tri-Valley University、以下「TVU」という)に対し現在進行中の犯罪調査に関連した不意打ち捜査を行った。連邦裁判所に提出された訴状によれば、ICE下の学生交換訪問者プログラム担当部署(SEVP)は、2009年2月にTVUのフォームI-17(非移民学生を在籍させるための学校承認を得るための嘆願)を承認したが、かかるフォームI-17には不当表示が含まれており、同大学は学費と引き換えにビザ関連の書類を外国人学生に提供して学生ビザを取得できるようにしているとのことである。

 ICEは、同大学の約95%の学生がインド人であり、その多くがカリフォルニアに在住しておらず、メリーランド州、バージニア州、ペンシルバニア州、テキサス州など全米各地で「不法」に働いていると主張している。一方、インドの在外居住者担当相は、「学生たちは無実なのでICEが寛大な措置」をとってくれるようDOSに要請した。

 NAFSA(外国人学生援助協会)は、SEVPに連絡をとり、転校を望むTVUの学生への対応を図ろうとしている。ICEは、現在、TVUの学生が滞在資格を維持できるか否か、転校が可能か否か、または滞在資格変更が可能か否かについて、内部議論を続けているものと推定される。

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増田・舟井ニュース

増田・舟井が、SEVISプログラムの撤回通知を受けた学校の防御に成功

 増田・舟井法律事務所は、留学生・交換訪問者情報制度(SEVIS)プログラムの撤回通知(Withdrawal on Notice、以下「WON」という)を受けた学校をSEVPから防御し勝訴に導いた。

 2008年SEVPは、ある学校に対しF-1プログラムに違反したという理由で24ページに及ぶWONを発行した。これに対し、同校は、当事務所の支援を得て、WONの中で主張される違反はF-1規則による裏付がなく、また意図的なものでもないゆえ、SEVISプログラムの撤回を受ける必要はないと抗議した。

 2011年1月、SEVPの抗議担当チームは、F-1規則に違反していなかったという同校(および当事務所)の主張に同意する決定を発表した。かかる担当チームは、7つの主張のうち6つはF-1規則の裏付がないと結論づけた。また、SEVPは、残る1つの主張についても違反の程度が小さいため、WONを撤回し、同校のSEVISプログラムを存続させることに同意した。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

  本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

  また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。