月刊 ビジネス移民法ニュース‐2010年8月

Date: 8/12/2010
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2010年8月)

議会は、移民法案を通過させる-特定の嘆願におけるH-1B申請料金は値上がり

 議会は、最近2010年緊急国境警備補充法を通過させた。本法案は、税関国境警備局(CBP)、移民関税執行局(ICE)、および米国司法省に6億ドル以上を充当する。その目的は、南西国境地域におけるCBPの人材補充、および警察活動のための技術補強、南西国境地域の暴力軽減のための係員の補充、南西国境地域の警察活動に関わる司法省の人材の増強、ならびに移民法およびその他の法律の強化により増大した作業負荷を満たすために追加資金を裁判所に割り当てることである。本緊急法案は、連邦政府の南西国境地域の移民法執行政策に対して向けられた批判への措置と見受けられる。

 緊急法案により割り当てられた6億ドルの資金を調達するために、議会は、H-1BおよびLビザ嘆願における詐欺防止料金を値上げした。現在の詐欺防止料金は、500ドルである。本法案の発効により、米国で50人以上の従業員を雇用する雇用主で、その従業員の50%以上がH-1BまたはL-1資格の従業員である場合、L-1詐欺防止料金は2,750ドル、H-1B詐欺防止料金は2,500ドルとなる。新料金は即時発効し、2014年9月30日まで失効しない。H-1B詐欺防止料金は、使用者料金とは別に支払わなければならない。H-1BまたはL-1詐欺防止料金は、従業員の最初の米国入国に対してのみ支払う。ただし、従業員が転職した場合、その新たな雇用主は、新たに詐欺防止料金を支払う責任がある。

NSCにおけるEADとアドバンス・パロールの申請処理が遅れる

 USCIS(米国市民権移民サービス)下のネブラスカ・サービス・センター(NSC)は、就労許可カード(EAD)およびアドバンス・パロール(事前承認済一時的入国許可書)申請処理に大幅な遅延が生じている。今までは、大体60日から75日で裁定されていたものが、現在は約90日かかっている。さらに、EADの申請が承認されても、申請者が実際にカードを受け取るまで2週間かかる可能性がある。NSCは、申請者に対してEADおよびアドバンス・パロールの有効期限が切れる120日前に申請書を提出するように勧めている。ただし、それ以上前に提出してはならないと警告した。

USCISは、「直接提出サービス」を継続して拡張

 2010年5月、USCISは、「直接提出サービス」を拡張するとの発表を行ったが、実際に実施に踏み切ったのは8月の最初の週であった。この拡張により、特定のフォームI-817、I-526、I-129F、I-539、I-130、およびI-140は、 ロックボックスのある施設に提出することになる。しかしながら、提出要件はフォームの種類により異なるので、雇用主および申請者は、提出先に関する正しい情報をUSCISのウエブサイトで確認してから提出すべきである。

2011年会計年度におけるH-1Bの発行枠はまだ上限に達せず

 USCISは、2011年会計年度(2010年10月1日から2011年9月30日まで)におけるH-1Bの発行枠についての最新情報を発表した。2011年会計年度におけるH-1Bの普通枠の上限は65,000件である。米国で修士以上の学位を取得した外国人に対する別枠の上限は20,000件である。USCISは、2010年7月23日現在、普通枠に対しては26,000件、別枠に対しては11,300件の嘆願申請を受理したと指摘した。USCISは、H-1B普通枠に対しては約700件、別枠に対しては約300件の嘆願を毎週受理しているようである。2010年会計年度において、別枠が上限に達したのは2009年9月であったが、普通枠は2009年12月23日まで上限に達しなかった。

 USCISは、H-1Bの普通枠、別枠ともに、発行枠が上限に達するまでは継続して嘆願を受け付ける。

DOSは、2010年8月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ分類のほとんどで大幅な進展

 DOS(米国国務省)は、2010年8月号ビザ・ブリテンを発表した。先月および先々月のビザ・ブリテンと同様、8月号ビザ・ブリテンにおいても、雇用に基づく移民ビザ分類のほとんどで大幅な進展が見られる。

 以下は、雇用に基づく移民ビザに関する2005年10月の後退から現在までの状況を表にまとめたものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

May 2010

June 2010

July 2010

Aug 2010

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

04/22/03

06/22/03

08/15/03

06/01/04

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

09/22/05

11/22/05

11/22/05

03/01/06

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

04/22/03

06/22/03

08/15/03

09/22/03

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

02/01/05

02/01/05

10/01/05

03/01/06

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

10/01/01

10/22/01

11/22/01

01/01/02

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

06/01/01

06/01/01

06/01/01

05/15/02

  (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

FSBPTは、エジプト、インド、パキスタン、およびフィリピンの理学療法学校の卒業生に対してNPTEを一時停止

 FSBPT(州政府理学療法委員会連盟)は、エジプト、インド、パキスタン、およびフィリピンの理学療法学校の全ての卒業生に対し、理学療法国家試験(NPTE)を行うことを突然中止した。2010年7月12日、FSBPTは、2010年7月11日日曜日午後11時59分より、エジプト、インド、パキスタンおよびフィリピンにおける理学療法プログラムの卒業生全員に対して、理学療法士および理学療法助手のためのNPTEの登録受付を中止すると発表した。試験は、NPTE-YRLYと呼ばれる新しいテストが開発されるまで再開されない。新規の試験は、2011年の秋には開始される見込みとのことである。また、試験は、おそらく一年に一度だけ選定された試験所で行われることになるだろう。FSBPTは、かかる中止は、中止の対象となった国々において相当数の理学療法学校卒業生が、回収された質問を組織的かつ系統的に共有・分配していたという「有力な証拠」が確認されたことに対応したもので、警備上の必要な措置であったと述べた。

 FSBPTは、2010年7月12日以前に登録を済ませた候補者に対しては、登録を撤回して全額払戻しを受けた上でNPTE-YRLYを受験するのを待つか、または現状維持のままNPTEを受けるが採点を保留してもらい統計的分析を受ける(異常が発見されれば無効となる)かの選択肢を説明する手紙を現在送付している。登録を完了したが支払をしていない、あるいは受験許可を受取っていない候補者の申請は取り消される。

 FSBPTは、同連盟の知的財産管理の更なる必要性を示す「圧倒的」なデータを有しており、かかるデータを将来研究雑誌に発表するかもしれないと述べた。また、受験に失敗した場合、再試験を受けるには12ヶ月待たなければならない可能性があり、同じテストは二度使用しないとのことである。新規テストの難度は現在のものと変わらない。FSBPTは、今後も現在のNPTEの警備を継続するので、本試験の影響を受ける国が増える可能性もあると述べた。

 (本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DHSは、雇用主にフォームI-9の電子的署名と保存を許可する規定を最終化

 DHS(国家安全保障省)は、雇用主に対しフォームI-9(就労資格確認書)の署名と保存を電子的に行ってもよいとするより柔軟性のある最終規則を最近発表した。雇用主は、新入社員についてフォームI-9就労資格確認書を作成する義務がある。雇用主はフォームI-9をDHSには提出しないが、ICEまたはその他の連邦当局の検査官に提示を求められた場合に、いつでも提示できるように保持しておかなければならない。また、従業員を雇用した日から3年間、また解雇した日から1年間のいずれか遅い期日まで、フォームI-9をファイルに保持しておかなければならない。本義務を怠った雇用主は、制裁金を科せられる可能性がある。

 DHS は、フォームI-9の電子的署名と保存を許可する中間最終規則を2006年6月に発表した。今回発表された規則は、かかる中間最終規則に次のような変更を加えている。

1. 雇用主は、3営業日(暦日ではない)以内にフォームI-9を作成しなければならない。

2. 雇用主は、書面、電子システム、またはその両方を組み合わせた方法を使用してよい。

3. 雇用主は、電子保存システムが本規則で要求される性能を満たす限り、かかるシステムを変更してよい。

4. 雇用主は、フォームI-9が作成、記入、最新化、修正、変更、是正された場合にのみ、オーディット・トレール(データ処理の内容を追跡調査できる記録)を保持すればよい。

5. 雇用主は、フォームI-9の処理確認書を提供してもよいが、従業員が領収書の形で写しを要求しない限り、それは義務付けられていない。

  本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

  Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。