月刊 ビジネス移民法ニュース‐2010年6月

Date: 5/28/2010
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2010年6月)

DOSは、非移民ビザ申請料金の値上げを実施

  DOS(米国国務省)は、全ての非移民ビザの申請手続料金(別名「機械読み取り式(MRV)ビザ料金」)、および国境通過カード(BCC)の値上げを規定した中間規則を発表した。新料金は、2010年6月4日から発効する。2008年1月1日に設定された131ドルの現在の料金では、非移民ビザの手続を処理できなくなったというのがその理由である。

  B-1/B-2訪問者ビザ、および全ての学生および交換訪問者ビザ(F、M、およびJビザ)など、嘆願申請の必要ないビザの申請料金は140ドル、嘆願申請を必要とするビザ(H、L、O、P、Q、およびRビザ)の申請料金は150ドルとなる。K婚約者ビザの申請料金は350ドル、およびEビザの申請料金は390ドル(現在の料金の約3倍)となる。

  DOSは、6月4日から料金が変更するのは、非移民ビザとBCC料金のみであると述べた。6月4日以降の非移民ビザ面接もその日程を問わず、料金値上げの対象となる。

  さらに、米国のパスポート、グリーン・カードおよびその他の領事館費用の値上げも検討中とのことである。

USCISは、H-1B枠内申請についての最新情報を提供(2010年5月 21日更新)

  USCIS(米国市民権移民サービス)は、以前、2011年会計年度  (2010年10月1日から2011年9月30日まで)におけるH-1Bの枠内申請数が、最初の提出期間である2010年4月1日から4月7日までの間に発行枠の上限に達しなかったと発表した。USCISがこの期間に受理した枠内嘆願数は、19,100件であった。(このうち、約13,500件は一般枠で、約5,600件は米国で修士以上の学位を取得した外国人を対象とする別枠での申請であった。) 一般枠での発行数は65,000件、別枠での発行数は20,000件である。従って、2011年会計年度におけるH-1B枠はまだ空いており、USCISは引き続き嘆願を受け付ける。


  2010年5月21日現在、USCIS は、これまでに受理したH-1Bの枠内申請数を、一般枠では19,600件、別枠では8,200件と更新した。

  本件に関する最新情報が入り次第、当事務所の移民法サイトに掲載する。

DOSは、2010年6月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどで進展が続く

  DOS(米国国務省)は、2010年6月号ビザ・ブリテンを発表した。過去数ヶ月間と同様、雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどで、進展が続いている。とりわけ大きな進展があったのは、「EB-3世界」および「EB-2中国人」の分類である。

  以下は、雇用に基づく移民ビザに関する2005年10月の後退から現在までの状況を表にまとめたものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Mar 2010

Apr 2010

May 2010

June 2010

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

12/15/02

02/01/03

04/22/03

06/22/03

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

07/08/05

08/22/05

09/22/05

11/22/05

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

12/15/02

02/01/03

04/22/03

06/22/03

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

02/01/05

02/01/05

02/01/05

02/01/05

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

07/01/01

09/08/01

10/01/01

10/22/01

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

06/01/01

06/01/01

06/01/01

06/01/01

DHSは、ビザ免除プログラム利用者用の出入国記録(フォームI-94W)の廃止を発表

  DHS(米国国土安全保障省)は、ビザ免除プログラム(VWP)の旅行者を対象とする出入国記録(フォーム   I-94W)を廃止することを発表した。過去7ヶ月間、ニュージーランド政府の協力で、オークランド‐ロサンゼルス国際空港間のニュージーランド航空による飛行便で試験的なプログラムを行った結果、このような結論に達した。

  VWPの旅行者は、今までと同様、航空機に搭乗または船に乗船する前に、ESTA(旅行認可電子システム)を通して米国に入国するための承認を得る必要がある。VWPプログラムで米国を旅行する全ての外国人に対してESTAが義務付けられたのは、2009年1月12日からである。VWPの旅行者は、米国への出発前にESTAを通して基本的な旅行履歴と資格情報を提供するので、DHSは、これらの旅行者が再度同様の情報をフォームI-94Wに記入する必要はないと判断した。

  DHSは、本プログラムの開始日については明確にしていないが、税関国境保護省(CBP)が今後7ヶ月の間に本プログラムを展開すると述べた。しかしながら、本プログラムが開始されても、ビザ免除の旅行者は、必ず入国スタンプの上に有効期限日のスタンプをパスポートに押してもらうことが大切である。そうすることにより、万が一警察またはその他の役人から質問された場合、証拠として提示することができるからである。

  VWPの旅行者のためのCBPによる新たな入国手続きに関して更なる情報が入り次第、当事務所の移民法ニュースに掲載する。

USCISは、直接提出制度を拡張-ロックボックスに提出すべき書式を追加

  当事務所の「週刊 移民法ニュース 2010年3月29日版」に掲載したように、USCISは、直接提出方式を通してロックボックスに提出しなければならない書式を追加している。

  以下は、直接提出方式に切り替えられる予定の書式である。

  • フォームI-817
  • フォーム I-526
  • フォーム I-539 (F-1回復申請を含むが、現在は、I-129(非移民ビザの申請)と同時に提出したフォームI-539は除く)
  • フォーム I-129F (フォームI-129は含まない)
  • フォーム I-140

  USCISは、これらの書式の直接提出方式への切り替えはすでに始まっていると述べた。USCIS下のサービス・センターにすでに提出されたこれらの書式は入力と領収書の発行のために自動的にロックボックスに転送される。すでに切り替えが終わった他の書式の例にもあるように、入力と領収書の発行作業は、大幅な遅延(6週間から8週間)が見込まれる。作業終了後、これらの書式は、裁決のために適切なサービス・センターに返送される。USCISは、本切り替えについての説明がこれらの書式に記入されるようにフォームを更新しようとしている述べた。この切り替え期間中は、申請書が正しくロックボックスに提出されなくても申請は却下されないが、6月に書式の説明書きが変更されると、適切なロックボックスに提出されない申請書は却下される。

USCISは、グリーン・カードのデザインを変更

  USCISは、移民法詐欺に対処するため、フォームI-551(通称「グリーン・カード」)のデザインを変更した。USCISは、グリーン・カードの偽造や改ざんを防止しすばやく正確に認証できるようなデザインにするために、最新技術を駆使した。

  新デザインのグリーン・カードは、グリーン・カードという名前どおり緑に色づけられ、一段と質の高められた様々な特色を備えている。たとえば、カード保持者を迅速かつ正確に識別するための生体識別情報を保存する光媒体、立体顔写真、レーザーにより採取された指紋、さらにカードが盗まれても複製がほぼ不可能な高解像度顕微鏡画像などである。また無線自動識別(RFID)能力が備わっているので、USCBP(米国税関国境保護省)が、離れたところからでもカードの情報を読み込み、直ちにファイル・データと比較することができる。

  USCISは、2010年5月11日から新規のグリーン・カードの発行を開始する。有効期限のあるグリーン・カードを持っている永住権者は、有効期限が切れるまでそのカードを使用してもよい。有効期限のないグリーン・カードを持っている者は、継続して古いカードを使用でき、新規のカードを申請する必要はない。

DOL下の賃金時間部署は、利害関係者協議会を行い、不法移民に対する今後の警察力の行使について議論する

  DOL(米国労働省)下のWHD(Wage and Hour Division、以下「賃金時間部署」)は、ワシントンDCにおいて、利害関係者協議会を開催した。かかる協議会の中で、WHDは、2009年会計年度(2009年10月1日から2010年9月30日まで)において250人の調査員を新たに採用し、2010年会計年度末日(2010年9月30日)までに 1、00人の調査員を追加雇用する予定であることを指摘した。WHDは、不法雇用を行う雇用者をさらに厳しく監査するためにこれらの新たな資源を利用すると述べた。

  WHDは、移民法における警察力について、小グループの討議を行った。主題は、H-2BプログラムにおけるWHDの新たな警察力であった。WHDは、H-2Bプログラムにおける警察責任を2009年10月1日から引き継いだが、2011年会計年度(2010年10月1日から2011年9月30日まで)においては行楽地のホテルやモーテルを標的とした試験的な活動を開始すると発表した。これらの施設の監査の対象は、(外国人労働者だけでなく)全従業員であり、WHDの管理する全ての法律に雇用主が準拠しているか否かを調査するものである。たとえば、対象となった雇用主の敷地内でサービスを提供する庭師、管理人、食事のサービスなどの請負人もその対象となる。

  WHDは、H-1Bプログラムにおける義務の準拠方法を雇用主やその他の利害関係者に理解してもらうための手段をDOLが初公開したと説明した。通知義務、お金の問題、現場の問題、記録保持、労働者の保護および警察力についての概略が、以下のサイトに掲載されている。http://www.dol.gov/elaws/h1b.htm.

DOJは、大学に雇用差別に対する制裁金を科す

  DOJ(米国司法省)の移民法関連不当雇用行為特別諮問委員会(OSC)は、ジョン・ジェイ・カレッジ(John J. College)に対して提起された雇用差別訴訟が和解したと発表した。同大学は、ニューヨーク市の大学(CUNY)制度に組み込まれるニューヨーク市の公立大学である。OSCは、その訴訟の中で、ジョン・ジェイ・カレッジが、就労資格確認書(フォームI-9)手続きの期間中に、米国市民に対しては行わない特別な書類(特に、就労許可カード)の提示を非市民に対し要求していたという理由で、市民権に対する差別を行ったと主張した。和解の一部として、大学側は、23,260ドルの制裁金と10,072.23ドルの遡及賃金を支払うことに同意した。さらに、市民権の有無に基づく差別をしないよう求人募集を行う職員を訓練することに同意した。

増田・舟井ニュース

当事務所の弁護士2名が「Who's Who 2010年国際ビジネス移民法弁護士」に指名される

  Who's Who法律編は、最近「Who's Who 2010年国際ビジネス移民法弁護士」を発表した。本出版物には、31の法域から選出されたビジネス移民法分野の第一人者とみなされる403人の弁護士が掲載されている。その中に、当事務所の移民法部門のボブ・ホワイト弁護士とブライアン・舟井弁護士が再選されている。Who's Whoの法律編に両弁護士が選出されるのは今回で4年目になる。

  本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

      Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。