月刊 ビジネス移民法ニュース-2010年4月

Date: 4/1/2010
 月刊 ビジネス移民法ニュース (2010年4月)

USCISは、2011年会計年度におけるH-1Bの枠内申請数が最初の提出期間で発行枠の上限に達しなかったことを発表-嘆願数は昨年より大幅に減少

USCIS(米国市民権移民サービス)は、2011年会計年度(2010年  10月1日から2011年9月30日まで)におけるH-1Bの枠内申請数が、最初の提出期間である2010年4月1日から4月7日までの間に発行枠の上限に達しなかったと発表した。USCISがこの期間に受理した枠内嘆願数は、19,100件であった。このうち、約5,600件は(米国で修士以上の学位を取得した外国人を対象とする)別枠での申請であった。一般枠での発行数は65,000件、別枠での発行数は20,000件である。従って、2011年会計年度におけるH-1B枠はまだ空いており、USCISは引き続き嘆願を受け付ける。

USCISは、最初の提出期間に受理された全ての嘆願を、2010年4月7日に提出された申請として受理通知を発行すると指摘した。さらに、特急処理を要求している嘆願については、最初の提出期間のどの日に受理されたかを問わず、2010年4月7日から最初の考査が開始される。

2010年会計年度(2009年10月1日から2010年9月30日まで)におけるH-1Bの枠内申請数は、2009年12月21日まで上限に達しなかった。2010年および2011年のH-1Bの枠内申請数が最初の申請期間に上限に達しなかったのは、両会計年度における経済不況、ならびにH-1Bの嘆願に対するUSCISの考査が厳しくなったためであると推定される。2011年会計年度における嘆願数は、2010年会計年度に比較して約20%も減少している。しかしながら、米国の経済が回復の兆しも見せていることから、今期の発行枠の上限は前年度よりも早く満たされることが予測される。


DOLは、PERM手続における渋滞緩和対策を開始

DOL(米国労働省)は、PERM(労働許可証明手続)プログラムにおける渋滞緩和対策を開始したようである。当事務所は、DOLが2010年会計年度の終わり(2010年9月30日)までに、渋滞を50%以上緩和させる計画であるとの状況報告を受けた。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOLは、新平均賃金決定手続についての補足案内を発行

DOL(米国労働省)は、新平均賃金システムについての補足案内を発表した。DOLは、2010年1月1日付けで本システムを変更した。変更前は、平均賃金の要求は、各州の労働局に提出することになっていたが、2010年1月1日以降、DOLに提出することが義務付けられた。2010年1月後半、DOLは、iCERTに平均賃金の機能を追加した。従って、雇用主は、現在iCERTのポータル・サイトを介して平均賃金の要求を提出できる。

DOLは、平均賃金の決定について、電子的な提出方法を提供するようになったが、この選択肢が追加されたからといって、DOLによる平均賃金の決定手続時間が短縮されたわけではない。DOLでは現在、H-1BおよびPERMプログラムにおける平均賃金を決定するのに約60日を要している。新システムの導入前に州の労働局が通常その決定に要した日数は、平均して1~2週間未満であった。平均賃金の決定にかかる時間が大幅に増大したことから、多くの雇用主が提出したPERMの申請処理が遅れている。同様の理由で、多くの雇用主は、政府が発行するH-1Bプログラムにおける平均賃金の決定をもはや当てにはしておらず、これらの雇用主は、DOLの職業・雇用統計システム(OES)に基づき、自ら平均賃金を決定している。

DOLは、本補足案内の中で、平均賃金の決定に要する時間が短縮されるとは述べていないが、特定の雇用主がどのように平均賃金決定の要求をなすべきかを明確にしている。また、OESの基準を超える高給職向けの平均賃金の決定を明確化した。

本件に関する更なる情報が入り次第、当事務所の移民法ニュースに掲載する。

USCISは、ロックボックス・システムに提出すべき書式を追加

USCIS(米国市民権移民サービス)は、USCISの新ロックボックスに提出しなければならない書式を追加した。かかるロックボックスへの直接提出方式に最近追加された書式の中に、フォームI-131(再入国許可およびアドバンス・パロール申請書)がある。最近多数の書式が直接提出方式に追加されたため、USCISにおいては、受理通知を発行するのが遅れている。以前の発表では、申請者は申請受理の確認通知をUSCISからEメールで受取ることになっていたが、これらのEメールは、申請書の提出日から大分経ってから発行される上、進捗状況についての情報は含まれていない。USCISは、今後も直接提出方式に追加する書式を増やす予定であり、この遅延は当分続くことが予想される。最終的には、今後数ヶ月以内に全ての書式が直接提出方式で提出されるようになるとのことである。

2010年4月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ分類のほとんどで進展が続く

米国国務省(DOS)は、2010年4月号ビザ・ブリテンを発表した。先月のビザ・ブリテンと同様、雇用に基づく移民ビザ分類のほとんどで前進がみられたが、とりわけ大きな進展があったのは、「EB-3世界」と「EB-3インド人」の分類である。

このまま進展が継続すれば、2010年会計年度中(2010年9月30日まで)に、雇用に基づくかかる移民ビザの発行枠の上限が満たされることが予想される。

以下は、雇用に基づく移民ビザに関する2005年10月の後退から現在までの状況を表にまとめたものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Jan 2010

Feb 2010

Mar 2010

Apr 2010

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

08/01/02

09/22/02

12/15/02

02/01/03

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

05/01/05

05/22/05

07/08/05

08/22/05

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

08/01/02

09/22/02

12/15/02

02/01/03

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

01/22/05

01/22/05

02/01/05

02/01/05

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

06/22/01

06/22/01

07/01/01

09/08/01

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

06/01/01

06/01/01

06/01/01

06/01/01

DHSは、E-Verifyシステムを強化する新たな構想を発表

DHS(国土安全保障省)は、E-Verifyシステムの「効率と正確さ」を強化する新たな構想を発表した。現在E-Verifyシステムを使用している雇用主の数は、189,000人である。DHSは、E-Verifyシステムのさらなる強化により、より多くの雇用主がこのシステムを選択的に利用するようになることを期待している。しかしながら、かかるシステムを利用して就労資格確認手続を行うためには、更なるプロセスを経ることになるため、多くの雇用主はこのシステムを利用したがらない。

DHSが発表した新たな構想には、E-Verify の誤用や手続上に差別的な行為が発見された場合の裁定手続の合理化、E-Verifyについてさらなる情報を求めている従業員に対する電話相談窓口の設置、ならびにE-Verify手続と制度、および従業員の権利と雇用主の責任に焦点を当てた英語とスペイン語による教育ビデオの設置などのDOJ(米国司法省)との新たな合意が含まれている。。

USCIS(米国市民権移民サービス)のE-Verifyの電話相談窓口は、現在、雇用主と従業員にフォームI-9(就労資格確認書)の記入を手伝うサービスのほか、E-Verify手続における差別についての苦情申立方法も案内している。電話相談窓口の電話番号は、888-897-7781である。利用可能になるのは、2010年4月5日以降である。ただし、フォームI-9の手続は複雑なため、どの程度の内容のサービスが提供できるかは定かではない。より複雑な質問は、弁護士に相談するよう勧告される可能性もある。USCISおよびICE(移民関税執行局)が、フォームI-9に対する強制捜査に「免責による除外」を設けることは示唆されていない。雇用主は、電話相談窓口の担当者が提供する情報(それが正確か不正確かに関わらず)を信頼している。従って、ICEも、フォームI-9の強制捜査の際、担当者が提供した雇用主についての不正確な情報に基づいて罰金を科してしまう可能性がある。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DHSは、ギリシャをビザ免除プログラムの新たな参加国として指定

DHS(国土安全保障省)は、ギリシャをビザ免除プログラム(VWP)の36番目の参加国に指定することを発表した。VWP参加国の市民は、ビザなしで米国に入国し90日間滞在することができるが、渡航前にESTA(旅行認可電子システム)を通して許可を申請しなければならない。ESTAについての情報は、当事務所の週間ビジネス移民法ニュース2010年1月18日版に掲載されている。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICEは、I-9の新たな一斉監査を開始

ICE(移民関税執行局)は、移民法における強制捜査の一環として、フォームI-9(就労資格確認書)の第3回 一斉監査を開始した。本監査は、過去1年間における3回目の主たるフォームI-9監査である。この監査において、ICEは、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、アーカンソー、およびテネシーの5州で180の事業所を対象に、検査通知(Notice of Inspection、以下「NOI」という)を発行した。ICEは、本措置が、違法雇用の需要を減らし、国内の適法な労働者の雇用機会を保護するための包括対策の一環であると述べた。NOIを受取った雇用主は、移民法に準拠して雇用を行っていることを証明するために、膨大な書類を三日以内に提供しなければならない。

ICEによる以前および将来のフォームI-90監査についての更なる情報が入り次第、当事務所の移民法ニュースに掲載する。

DOLは、H-1Bに基づくLCA違反に対して、コンピュータ・コンサルティング会社からおよそ1.9億ドルの罰金を求める

DOL(労働省)は、ニュージャージー州のコンピュータ・コンサルティング会社がH-1Bプログラムの労働条件申請(LCA)条項に違反したとして、法廷への出頭を命じた。DOLは、その会社が163人の労働者に1.4億ドル以上の訴求賃金を支払うべきであることを言及した。さらに、439,000ドルの制裁金(Civil Monetary Penalties、以下「CMP」という)と、特定の非移民ビザおよび移民ビザ・プログラムからの2年間の禁止を命じた。DOLの賃金・時間部門は、かかるコンサルティング会社がH-1Bプログラムに基づき雇用したコンピュータ・システム・アナリストに対し、義務付けられた賃金を支払わなかったこと、さらに当該会社がH-1B資格の従業員に対し、その資格有効期限の終了前にその会社を辞めた場合、罰金の支払いを義務付ける雇用契約を結ぶことを強要し、その契約を破棄した従業員を提訴したことを発見した。DOLは、本違反が故意によるものであり、従ってCMPと移民ビザ・プログラムからの2年間の禁止を命じたと述べた。

 本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

 また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。