月刊 ビジネス移民法ニュース-2010年3月

Date: 2/24/2010
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2010年3月)

2011年会計年度のH-1Bの発行枠における嘆願申請は、4月1日から受付開始-雇用主は、枠内申請の準備開始を

2011年会計年度(2010年10月1日から2011年9月30日まで)のH-1Bの発行枠における嘆願申請は、2010年4月1日から受付開始となる。例年と同様、2011年会計年度におけるH-1Bの発行枠は、65,000件である。米国で修士以上の学位を取得した外国人を対象とする別枠での発行数も、例年通り20,000件と変わらない。2009年会計年度(2008年10月1日から2009年9月30日まで)においては、H-1Bの発行枠である65,000件に対し165,000件以上の嘆願があったため、上限は最初の申請期間で満たされてしまった。ところが、2010年会計年度(2009年10月2日から2010年9月30日まで)におけるH-1Bの枠内嘆願申請数は、2009年12月21日まで発行枠の上限に達しなかった。その理由は、経済不況やUSCIS(米国市民権移民サービス)のH-1B嘆願に対する考査が厳しさを増したためと推定される。

しかしながら、現在経済が回復しつつあり、雇用主が採用を再開し始めたという事実もあるため、2011年会計年度のH-1Bの発行枠の上限は最初の申請期間で満たされる可能性もある。従って、H-1Bの発行枠で嘆願申請を提出する予定の雇用主は、2010年4月1日から開始する最初の嘆願受付期間に間に合うように、できるだけ早く手続きの準備を開始するようお勧めする。DOL(米国労働省)によるLCA(労働条件申請書)の処理方法が変わり、LCAの処理に1週間以上かかる可能性があるため、雇用主は、H-1B嘆願の処理に時間的猶予を見込んでおくべきである。H-1B嘆願は、DOLが認可したLCAなしにUSCISへ提出することはできない。2011年会計年度におけるH-1Bの発行枠の上限が最初の提出期間に満たされてしまい、また雇用主の提出がこの期間に間に合わない場合、次のチャンスがめぐってくるのは、早くても2012年会計年度の発行枠が開始する2011年4月1日ということになる。

USCISは、フォームI-824I-102、および I-765の受付をダイレクト・メール・プログラムに移行-今後数ヶ月以内にさらなる拡張が予測される

USCISは、継続してダイレクト・メール・プログラムを拡張している。ダイレクト・メール・プログラムとは、申請書の受付をUSCISのサービス・センターからUSCISのロック・ボックスへ移行する措置の一環である。USCISは、この中央集権的措置により申請手続がより効率的かつ効果的に行われるようになると信じている。以前、USCISは、今後6ヶ月以内に全ての申請をダイレクト・メール・プログラムに移行することを発表した。

過去2週間で、USCISは、フォームI-824、I-102、および I-765の3種類の申請をダイレクト・メール・プログラムに移行した。フォームI-765の申請場所の変更は、2010年2月24日から発効する。USCISは、イリノイ州シカゴ市にあるロック・ボックスに加えて、アリゾナ州のフェニックスとテキサス州ダラスにも施設を追加した。フォームの種類により申請場所が異なるので、申請者は、USCISのウエブサイトで必ずチェックする必要がある。申請書が間違った施設に提出したとしても、30日間の猶予期間内であれば、申請は却下されずに適切な施設に転送される。そうでない場合は、却下の対象となる。USCISは、申請書の受取通知をロックボックスの施設からEメールで受信するオプションも提供している。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICEは、移民法に違反した企業に53万6千ドル以上の罰金を科す

ICE(移民関税執行局)は、オハイオ州シンシナティ市のKoch Foodsが鶏の加工工場に100人以上の違法労働者を雇っているという内報を受けて、現場調査を行った。その結果、ICEは、同企業に対して罰金通知を発行し、536,046ドルの罰金を支払うことに同意させた。ICEは、本件において科した相当な額の制裁金は、雇用主の移民法への準拠責任に対するICEの姿勢を表すものであると述べた。

DOSは、2010年3月号ビザ・ブリテンを発行-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーの多くで進展あり

DOS(米国国務省)は、2010年3月号ビザ・ブリテンを発表した。雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーは、2010年10月1日から開始した本会計年度においてほとんど動きがなかったが、今回大きな進展が見られた。以下は、2005年10月におけるプライオリティ・デートの後退から現在までの状況を示したものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Dec 2009

Jan 2010

Feb 2010

Mar 2010

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

06/01/02

08/01/02

09/22/02

12/15/02

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

04/01/05

05/01/05

05/22/05

07/08/05

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

06/01/02

08/01/02

09/22/02

12/15/02

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

01/22/05

01/22/05

01/22/05

02/01/05

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

05/01/01

06/22/01

06/22/01

07/01/01

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

06/01/01

05/01/01 (India)

06/01/01

06/01/01

06/01/01

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、政府基金の返済を完了したH-1Bに依存する雇用主に対するTARPの制限を明確化

2009年2月、EAWA(米国労働者雇用法)が発効された。これは、TARP(問題資産救済保護基金)または連邦準備基金法13条に基づき基金を受給する企業を、「H-1Bに依存する雇用主」と見なすものである。他のH-1Bに依存する雇用主と異なり、EAWAの適用対象となる企業は、たとえ別枠のH-1B発行枠の対象となるH-1B資格の外国人(米国で修士以上の学位を取得したか、年収6万ドル以上の外国人)を雇用しても、H-1Bに依存する雇用主の追加要件から免れない。これらの追加要件の中には、LCA(労働条件申請書)を提出する際、米国労働者の求人広告や米国人労働者の不解雇について、DOL宛に宣誓証明をすることが含まれている。

EAWAの適用対象となる企業の多くは、その制限により、H-1B資格の外国人を雇用しないことを決めたが、昨年、これらの企業のいくつかが、TARPプログラムを通して受給した基金を返済した。しかしながら、基金の返済を行ったとしても、依然としてEAWAの制限対象になるのか否かは不明であった。USCISは、最近、TARP基金の受給者だった企業がかかる基金を完全に返済する場合、その企業はEAWAの制限対象にはならないことを確認した。これにより、TARP基金を返済した多くの企業は、再びH-1B資格の外国人の雇用を検討し始めている。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOSは、料金の値上げを提案

DOSは、様々なパスポートとビザのサービス料金の値上げを提案した。この提案に対して、30日間の意見期間が設けられるものの、DOSは今年の後半には値上げを最終化するものと思われる。

Item

提案された料金

現在の料金

Passport Book Application Services for Applicants Age 16 or over (including renewals)

$70

$55

Additional passport visa pages

$82

$0

Passport Book Security Surcharge

$40

$20

File search and verification of U.S. citizenship

$150

$60

Application for Consular Report of Birth Abroad of a Citizen of U.S.

$100

$65

Documentation of formal renunciation of U.S. citizenship

$450

$0

Passport Card Application Services for Applicants age 16 or over (including renewals)

$30

$20

Making arrangements for a deceased non-U.S. citizen family member

$200

Plus expenses

Consular Time

Plus expenses

Immigrant visa application processing for immediate relative and family preference applications

$330

$355

Immigrant visa application processing for employment-based applications

$720

$355

Immigrant visa application processing for other visa classes

$305

$355

Diversity Visa Lottery Fee

$440

$375

Affidavit of Support Review

$88

$70

Determining Returning Resident Status

$380

$400

Immigrant visa security surcharge

$74

$45

Providing notarial service: First service

$50

$30

Providing notarial service: Each additional service

$50

$30

Certification of a true copy or that no record of an official file can be located: First copy

$50

$30

Certification of a true copy or that no record of an official file can be located: Each additional copy

$50

$30

Provision of documents, certified copies of documents, and other certifications by the Dept of State (domestic)

$50

$30

Authentications

$50

$30

Processing letters Rogatory and Foreign Sovereign Immunities Act (FSIA) judicial assistance cases

$2,275

$735

Scheduling/arranging appointments for depositions

$1,283

$475

Attending or taking depositions, or executing commissions to take testimony

$309/per hour plus expenses

$265/per hour plus expenses

Providing seal and certification of depositions

$415

$70

Consular time charges

$231

$265

CBPは、ICEおよびUSCISと協力してH-1Bプログラムにおける詐欺を阻止

CBP(税関国境保護省)は、ICEおよびUSCISと協力して、H-1Bプログラムにおいて現在進行している詐欺への阻止に取り組んでいることを確認した。2009年12月および2010年1月において、ニュージャージー州ニューワーク国際空港で、ある会社に勤務するH-1B資格の外国人数名が米国への入国を却下された。ニューワークのCBPの検査官は、かかる外国人に対し、彼らの勤務先、給与支払の方法、および職務について質問した。CBPニューワークは、USCIS下のFDNS(詐欺監視警備)部門およびICEと協力して、この問題に対処していることが確認された。CBPの本部は、最近の入国却下の事例は、単なる書類上の不備からビザ詐欺に至るまで様々であることを指摘した。H-1B資格の外国人が入国却下の判断を下された場合、全体の状況がケース・バイ・ケースで検討された上で、当該外国人は入国の申請を撤回することを許されるか、即刻米国からの退去を命じられる可能性がある。

H-1Bプログラムにおけるこのような警備の強化により、外国人は、米国への再入国の前に、H-1B嘆願申請の写しとその裏付書類に目を通しておくべきである。さらに、外国人の雇用主が提出したH-1B嘆願における主張の裏付として、最近の給与支払明細や雇用確認の手紙なども持参したほうがよい。また、雇用主は、そのH-1B資格の外国人が入国に際し提供した情報や、H-1B嘆願申請に含まれている情報について、入国管理のCBPの係官から電話で確認の問い合わせを受けても対処できるようにしておくべきである。CBPやその他の政府機関に提供した情報は、最初のH-1B嘆願の際に提出した情報と一致していなければならない。

裁判所は、E-Verifyシステムの使用を義務付けるオクラホマ州の移民法の一部を無効とする

2007年、オクラホマ州議会は、以下の法律を通過させた。1)州またはその他の公共機関と契約を結んだ雇用主に対し、その従業員の就労資格を確認するためにE-Verifyシステムの使用を義務付ける。2)米国市民または永住権を有する従業員を解雇する一方で、同様な地位にいる不法滞在の労働者を承知のうえで雇用しているオクラホマ州の全ての雇用主に対して、雇用差別に基づく請求権を設置する。3)オクラホマ州の全ての企業に対し、州内で契約を結んだ各独立請負業者の就労許可を確認するために書類を取得するか、それをしない場合は各独立請負業者から一定の税金を控除することを義務付ける。

第10巡回控訴裁判所は、上記2)および3)の条項を禁止する正式審理の暫定的差止命令を追認した。しかしながら、裁判所は、上記1)に反対した下級裁判所の判断を覆した。

増田・舟井ニュース

お知らせ: 増田・舟井の移民法部門が、3月4日(木)に無料の年次移民法セミナーを開催

増田・舟井の移民法部門は、2010年3月4日(木)、午前8時から正午まで、イリノイ州アーリントン・ハイツにあるダブルツリー・ホテル(Doubletree Hotel)において年次の無料最新移民法セミナーを開催します。今回のセミナーで取り扱うテーマは、以下の通りです。

  • H-1B発行枠への障害
  • Eビザ、包括Lビザ、およびB-1ビザについて-USCISの3つの 「I」 の回避
  • なぞのグリーン・カード: 手続、遅延、および複雑な事情
  • 職場の強制執行: なぜ2010年は、DOL、USCIS、ICE、およびDOSによる移民法監査の当たり年なのか。
  • 費用削減への対策: 雇用法と移民法の密接な関係

本セミナーは無料ですが、お席に限りがありますため、事前にセミナーへの登録をお願いします。本セミナーにご参加を希望される方は、以下のサイトにてご登録頂くか、

http://www.masudafunai.com/RegisterEvent.aspx?event=5600&email=cbuell@masudafunai.com.

または、当事務所マーケティング部門のキャリー・ビュエル(Carrie Buell)(Tel: 312.245.7500)、クライアント・サービス部門の江口 香(Tel: 312.245.7482)もしくは徳吉 史子(Tel: 312.245.7439)まで電話でお問合せください。

本セミナーについての更なる情報は、増田・舟井のホームページwww.masudafunai.comのイベント欄をご参照ください。

 

 本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

 また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。