月刊 ビジネス移民法ニュース-2010年2月

Date: 1/29/2010
 月刊 ビジネス移民法ニュース(2010年2月)

DOLは、iCERTシステムに標準賃金の機能を導入

DOL(米国労働省)は、最近iCERTシステムに標準賃金の機能を導入した。当事務所の週刊ビジネス移民法ニュース2009年12月28日版に掲載したように、DOLは、2010年1月1日付けで標準賃金の発行手続を変更し、標準賃金の決定は連邦のDOLが直接行うようになった。

2010年1月21日に、DOLは、使用者が標準賃金の要請を電子的にDOLに送れる機能をiCERTシステムに追加した。ただし、従来の郵送から電子的な提出方法に移行したからといって、標準賃金の決定手続が促進されるか否かは不明である。

H-1BおよびPERMプログラムにおける新たな標準賃金システムの実施について更なる情報が入り次第、当事務所の移民法ニュースに掲載する。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

CBPは、ビザ免除の旅行者に対しESTAによる事前許可の取得を喚起

CBP(税関国境警備局)は、ビザ免除プログラム(VWP)で米国に入国する旅行者に対し、ESTA(旅行認可電子システム)の取得義務について喚起した。ESTAは、2009年1月12日より、VWPで米国に入国する全ての外国人に義務付けられた。CBPは、2010年1月20日より、全ての航空会社に対しESTAの準拠を強制する60日間の移行措置を開始し、ESTAの許可を取得していないVWPの旅行者は、米国行きの航空機に搭乗することができないと述べた。

CBPによれば、ESTAの申請は、外国旅行をする前ならいつでもよく、一度許可されれば、2年間または申請者のパスポートの有効期限の切れるまでのいずれか早い方まで有効であるとのことである。


VWPの旅行者は、ESTAのウェブサイト(www.cbp.gov/esta)で、旅行前にオンラインで申請書を提出する必要がある。数ヵ月後にはI-94Wの書式に代わりESTAが使用されることが予想される。ESTAのウエブサイトは、ほとんどの国のVWP旅行者の便宜を図るために、21ヶ国語で閲覧できるようになっている。

DOSは、2010年2月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーは、ほとんど進展なし

DOS(米国国務省)は、2010年2月号ビザ・ブリテンを発表した。本号における雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーの進展状況は、過去数ヶ月間のビザ・ブリテンの場合と同様、ほとんど変化がない。最も大きな変化としては、「EB-3 世界」カテゴリーにおいて2010年2月から受付対象となる嘆願申請のプライオリティ・デート(嘆願申請が受付可能となるための提出期限)が2002年8月1日から2002年9月22日となった点である。EB-2およびEB-3インド人・カテゴリーは、いずれも全く変化がない。

以下は、2005年10月におけるプライオリティ・デートの後退から現在までの状況を示したものである。

Oct 2005

Dec 2007

Jun 2008

Nov 2009

Dec 2009

Jan 2010

Feb 2010

EB-3 World

03/01/01

09/01/02

03/01/06

06/01/02

06/01/02

08/01/02

09/22/02

EB-2 China

05/01/00

01/01/03

04/01/04

04/01/05

04/01/05

05/01/05

05/22/05

EB-3 China

05/01/00

10/15/01

03/22/03

06/01/02

06/01/02

08/01/02

09/22/02

EB-2 India

11/01/99

01/01/02

04/01/04

01/22/05

01/22/05

01/22/05

01/22/05

EB-3 India

01/01/98

05/01/01

11/01/01

04/22/01

05/01/01

06/22/01

06/22/01

EB-3 Other Workers

10/01/00

10/01/01

01/01/03

06/01/01

06/01/01

05/01/01 (India)

06/01/01

06/01/01

USCISは、H-1B手続における雇用主と従業員の関係を規定する案内を発表

USCIS(米国市民権移民サービス)は、H-1B資格の取得に必要な「有効な雇用主と従業員の関係」を明確化する裁定者向けの最新案内を発表した。特に、独立請負業者や、自営業の受益者および第三当事者の職場に配属された受益者に関する「有効な雇用主と従業員の関係」を明確化することが意図されている。さらに、雇用主と従業員間に有効な関係が存在し、かかる関係がH-1B資格の有効期間を通じて継続して存在することを証明する裏付の種類についても述べられている。

USCISは、かかる案内の中で、H-1B資格を裁定する裁定者たちの義務は、雇用主が従業員を管理する権限が十分にあるか否かを見極めることであると述べている。雇用主は、受益者が職務をいつ、どこでどのように履行するかを管理する権利があることを証明できなければならない。USCISは、嘆願者の受益者に対する雇用管理の権利の有無を決定する場合、次の項目を全体の状況の中で検討すると述べた。

1. 嘆願者は、受益者を監督するか、職場で直接監督するか、間接的な監督か。

2. 間接的に監督する場合、どのように監督を行うか。

3. 嘆願者は、受益者の職務を日常的に管理する権利を有するか。

4. 嘆願者は、受益者が職務を行うために必要な道具や手段を提供するか。

5. 嘆願者は、受益者の雇用、給与支払、解雇ができるか。

6. 嘆願者は、受益者の仕事の生産物を評価するか。

7. 嘆願者は、受益者を税務申告の対象とするか。

8. 嘆願者は、受益者になんらかの従業員手当を支給するか。

9. 受益者は、職務を履行するために嘆願者の占有的情報を使用するか。

10. 受益者は、嘆願者の業務に直接関連した最終製品を生産するか。

11. 嘆願者は、受益者の仕事の生産物を完成する手段や方法を管理することができるか。

USCISは、雇用主が上記基準の裏付け証拠を全て提供する必要はなく、雇用主と受益者の関係を十分証明できる書類をいくつか提供すれば足りることを確認した。またH-1B資格に要求される雇用主の管理について具体例を以下のように示した。例えば、受益者が雇用主に任務の報告をせず、雇用主が受益者の日常業務の履行方法を管理せず、受益者の業務の進捗状況の管理を行わず、受益者の最終製品が雇用主の取扱業務と関係が無い場合、当該雇用主はかかる受益者の任務を管理していることを証明できないため、H-1B資格取得に必要不可欠な「雇用主と従業員の関係」が証明されない可能性がある。ただし、かかる受益者が、当該雇用主に雇用されているマネージャーに対し、その任務の進捗状況を毎週報告し、当該雇用主から手当を受け取っている場合、かかる受益者がH-1Bに適格であることを裏付ける「雇用主と従業員の関係」が存在する可能性がある。

H-1B申請の最初の段階で、雇用主-従業員間の関係について十分な裏付が提出されないと、サービス・センターの裁定者はRFE(裏付要請)を発行し、受給者がH-1Bに適格であることを裏付ける雇用主-従業員間の関係を証明するように指示される。このような裏付書類には、以下に限られるわけではないが、雇用主と受給者間の雇用契約書の写し、受益者が第三当事者の職場に配属される場合は雇用主と顧客間の契約書の写し、受益者が第三当事者の職場に配属される場合はその任務期間、任務の必要条件およびその任務に対する雇用主の管理の程度を明確にするその第三当事者からの手紙、雇用主の営業成績考査手続の記載、受益者の一連の監督者を示した雇用主の組織図の写しなどが含まれる。

また、同雇用主が資格延長を申請する場合は、受益者の仕事を管理する権限のほかに、受益者のW-2フォーム、受益者の給与記録、受益者の仕事の生産物の例、受益者の勤務評定の写し、および昇進や賃金率の変化を示す雇用暦の写しなども提出する必要があるかもしれないとUSCISは指摘した。

インドの米国領事館は、2010年1月19日よりフォームDS-160の使用を開始

当事務所の週刊ビジネス移民法ニュース2009年12月7日版に掲載したように、米国国務省は、非移民ビザ申請フォームDS-160の使用を世界規模で展開しようとしている。DS-160は、現在使用されているDS-156、DS-157、DS-158、およびDS-3052に代わるものである。インドの米国領事館では、非移民ビザの申請を行う者に対し、 2010年1月19日からDS-160の使用を義務付けている。国務省は、各国の領事館に対し、使用開始の期限を 2010年3月1日と2010年4月30日までのいずれかに指定している。Kビザの申請者は、継続してフォームDS-156およびフォームDS-156K補足書を使用する。

ICEは、不法雇用の取り締まりを継続

ピルグリムズ・プライド・コーポレーション(Pilgrim's Pride Corporation)は、ICE(移民関税執行局)の調査に対して、4億5千万ドルの和解金を支払うと共に、米国移民法の準拠と、適法な労働資格を有する従業員の確保を強化するための措置をとることに同意した。

全ての旅客機に対し警備の強化が見込まれる

クリスマス当日に発生したオランダ発ミシガン州デトロイト行きのノースウエスト航空の爆発未遂事件により、TSA(運輸安全管理局)は、警備の強化についての案内を発表した。米国に入国する外国人は、より厳密な手荷物検査と身体検査を受けることが予想される。そのため、空港での待ち時間が長くなることは避けられない。また、乗客は飛行中に一定時間私物を片付けるよう、そして電子機器の電源を切るよう指示されることに注意されたい。

 本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

 また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。