月刊 ビジネス移民法ニュース‐2009年9月

Date: 9/1/2009
 月刊 ビジネス移民法ニュース‐2009年9月

連邦請負業者はE-Verifyシステムの使用を2009年9月8日より義務付けられる

特定の米国内の連邦請負機関の契約および下請契約にE-Verifyプログラムの使用を義務付けるように、連邦獲得規則(FAR)を修正する最終規則が2009年9月8日より発効する。本最終規則は、当初2008年11月14日に発表されたが、その実施は訴訟のためにたびたび延期になった。しかしながら、かかる訴訟は、最近連邦地方裁判所により棄却された。かかる決定が上訴されるとしても、かかる裁判所は、かかる規則の実施を延期しないものと推定される。

本訴訟の棄却後、DHS(国土安全保障省)は、一定の連邦請負業者および下請業者に対し、彼らの従業員の就労資格の確認にはE-Verifyシステムの使用が2009年9月8日より義務付けられることを喚起する新聞発表を行った。しかしながら、正確にいえば、新規の従業員および特定の現行の従業員の米国における就労資格を確認する義務があるのは、2009年9月8日以降にE-Verify要件を含む契約を獲得した特定の連邦請負業者および下請業務業者だけである。かかる規則により、請負業者は、契約期間が120日以上で10万ドルを超える全ての連邦勧誘及び契約において、以下の条件に従うことが義務付けられる。

1.E-Verifyプログラムに参加する(まだ参加していない場合)。

2.かかる契約(契約期間が120日以上で10万ドルを超える全ての連邦勧誘及び契約)にもとづくサービスの履行か否かにかかわらず、米国における全ての雇用に対してE-Verifyを使用する。大学、州政府および地方自治体、連邦で認知されたインデアンの種族による政府、または契約履行保証に基づく連邦機関との引継契約に従い業務を行う保証人は、全ての新規雇用に対してではなく、かかる契約に配属になった新規雇用のみを確認することを選択できる。

3.かかる契約に配属になり、かかる契約に基づき直接業務を行う全ての労働者に対しE-Verifyを使用する。従業員が通常補佐的な(間接的な機能などの)業務を行い、かかる契約に該当する実質的な職務を行わない場合、その従業員は、かかる契約に配属されたとはみなされない。請負業者は、以前E-Verifyを使用して作業員の確認を行ったことがある場合、再度その作業員を確認する必要はない。


また、「機密」「秘密」または「極秘事項」にアクセスする権限を有する労働者、またはバックグランドの調査が完了し、国土安全保障大統領指令(Homeland Security Presidential Directive、「HSPD-12」という)に基づき資格証明書を発行された労働者を再確認する必要はない。

4.3千ドルを超える少なくとも30日以上の期間を要する商業的または非商業的サービスおよび建設においては、請負業者の下請業者にE-Verifyの使用を義務付ける。

本規定の適用を受ける請負業者および下請業者は、1986年11月6日以降に雇用された全ての現行の労働者に対し、彼らがかかる契約に配属になったか否かにかかわらず、選択により再確認を行うことができる。本条項は、本規定の条項の対象となる請負業者および下請業者に適用される。請負業者または下請業者がこれを選択した場合、DHSに通知しなければならず、DHSに通知してから180日以内に確認を開始するか、E-Verifyプログラムに参加しなければならない。以下を含む特定の連邦契約は、かかる要件から免除される。

1. 商業的に入手可能な市販の製品(COTS)

2. (マイナーな変更がなかったならば)市販の製品となりうる製品

3. ばら積み貨物として出荷されるのでなければCOTSとして分類されうる農産物

4. COTS製品の購入の一部としてCOTSの提供者が通常COTS製品に提供する商業的サービス

契約係員は、契約がかかる免除に該当するか否かを判断する。

以下は、E-Verify要件を免除されていない連邦請負業者および下請業者のE-Verifyプログラムへの参加と使用にかかわる時間枠である。

契約獲得時にE-Verifyプログラムに参加していなかった請負業者および下請業者

時間枠

開始時点

要求される行為

30日以内

契約獲得から

E-Verifyプログラムへの参加

90日以内

E-Verifyプログラムに参加してから

新規雇用の全従業員に対し雇用日から三日以内に確認

90日以内

E-Verifyプログラムに参加してから

本契約(契約期間が120日以上で10万ドルを超える全ての連邦勧誘及び契約)に配属された作業員の確認

30日以内(上記の90日の時間枠を過ぎた場合)

作業員が新たに本契約に配属されてから

本契約に新たに配属された作業員の確認

180日以内

E-Verify本部に通知してから

(本契約に配属された作業員だけでなく)現行の作業員を選択的に再確認

契約獲得時点でE-Verifyプログラムに参加していた請負業者および下請業者

時間枠

開始時点

要求される行為

即日(90日以降にE-Verify プログラムに参加する場合)

契約獲得から

新規雇用の従業員に対し雇用日から三日以内に確認

90日以内(90日以内にE-Verifyプログラムに参加した場合)

E-Verifyプログラムに参加してから

新規雇用の従業員に対し雇用日から三日以内に確認

90日以内

契約獲得から

本契約に配属された作業員の確認

30日以内(上記90日の時間枠を過ぎた場合)

作業員が新たに本契約に配属されてから

本契約に新たに配属された作業員の確認

180日以内

E-Verify プログラムの運用の通知

(本契約に配属された従業員だけでなく)現行の従業員を選択的に再確認

全請負業者

時間枠

開始時点

要求される行為

履行期間が120日以内の請負契約

該当なし

E-Verifyプログラムに参加不要

履行期間が30日以内の下請契約

該当なし

E-Verifyプログラムに参加不要

DHS またはSSA(社会保障省)は、連邦請負業者または下請業者がE-Verifyプログラムを使用するための署名義務を規定したMemorandum of Understanding (MOU)の条項に違反した場合、その請負業者または下請業者をE-Verifyシステムから削除することができる。このMOUは、この規則が適用されない、E-Verifyプログラムを選択的に使用する雇用主に対するMOUとは非常に異なる。例えば、その主要な違いの一つとして、連邦請負業者および下請業者は、かかる契約に配属された現在の作業員をE-Verifyシステムで確認する義務があるが、本規則の対象にはならない雇用主は、現在の作業員の就労資格を確認するためにE-Verifyを使用することができない。本規則が適用される連邦請負業者に対するMOUには、かかる連邦契約に配属された現行の作業員の就労資格を確認する手順が要約されている。また、ほとんどの雇用主は、かかる作業員のフォームI-9(就労資格確認書)の手続を完了してから、雇用主の受理した情報や書類が全てのE-Verify要件を満たしていることを確認するためにE-Verifyの手続を行わなければならないように見受けられる。DHS および/またはSSAは、有効な連邦請負業者がMOUの条項に違反した場合にE-Verifyシステムからかかる請負業者を削除する場合、予測されるかかる請負業者の連邦契約プログラムの使用の一次停止または禁止について、係官に付託しなければならない。

最後に、DHSは、雇用主がE-Verifyシステムを使用するからといってDHSによるI-9フォームの遵守検査やその他の強制行為が免除されることにはならないことを、雇用主に喚起した。

FARのE-Verify最終規則の実施についてさらなる情報が入り次第、当事務所の移民法ニュースに掲載する。

USCISは、フォームI-9を更新

USCIS(米国市民権移民サービス)は、最近フォームI-9を更新した。今年度当初、USCISは、フォームI-9就労資格確認書に大幅な変更を加えた。しかしながら、かかる修正版は、2009年6月末に失効した。新規のフォームは、発行日と失効日が更新されたほかは特に変更点はないが、USCISは、雇用主に対し、2009年8月7日の更新日が記された最新版のフォームを使用するように勧めている。ただし、更新日が2009年2月2日のフォームでも受け付けるとのことである。更新日が2009年2月2日以前のフォームI-9は、受け付けない。

USCISは、フォームI-140手続きにおける「権利承継者の適用性」を修正

USCISは、雇用に基づくグリーンカード申請のための嘆願(フォームI-140)の裁定において、権利承継者であるか否かを決定する要因について新規の案内を提供するために裁定者用のマニュアルを修正する覚書を発行した。かかる覚書の発行前に、USCISのテキサス・サービス・センターは、承継会社が元の雇用主の全ての権利、義務、債務、および資産を引き継ぐ場合に限り、その承継会社を「権利継承者」とみなすことを指摘した。

USCISは、特に2つの企業間における資産および責任の買収、合併、および譲渡において商慣行が変更した事実を認めるための案内を発行しようとしていると述べた。また、新規および現在手続き中のフォームI-140の嘆願について、有効な「権利承継者」関係が存在するか否かを判断するためには、以下の3つの要因を考慮しなければならないと述べた。

1. 承継会社が提供した職務が、労働許可証明手続で当初提供された職務と同じでなければならない。

2. 承継会社は、DOL(労働省)に労働許可証明を提出した期日に提供した賃金を支払う能力が前身の会社にあったという裏付など、全ての観点から資格を証明する責任を負う。

3. 承継会社と労働許可証明を提出した前身の会社との間に有効な「権利承継者」関係が存在するためには、嘆願者は、前身の会社の所有権を承継会社が譲り受け、引き継いだことを叙述し文書で証明しなければならない。

EB-1多国籍企業のマネージャーおよび幹部社員を含み、労働許可証明を必要としないフォームI-140の嘆願には、上記案内は適用されない。(2つの企業間における資産および責任の買収、合併、および譲渡において商慣行が変更した場合)かかる企業の雇用主は、かかる従業員の資格がその分類において継続的に有効であることを裏付けるために新たなフォームI-140を提出しなければならない。

さらに、承継会社は従業員が21世紀法(AC21)の米国競争力に含まれる「グリーン・カード」の相互運用性条項に該当する場合、新たな嘆願を申請する必要が無いことを確認した。

2010年会計年度におけるH-1BおよびH-2Bについての最新情報

USCISは、2010年会計年度(2009年10月1日から2010年9月30日まで)におけるH-1B および2010年会計年度上半期におけるH-2Bの発行枠についての最新情報を発表した。2009年8月28日付けで、会計年度の発行制限である65,000件分のビザに対して提出された適格な嘆願は、45,100件であった。修士以上の学位取得者に対する別枠20,000件分は、暫定的に上限に達した。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DOLは、iCertシステムについての最新情報を発表

DOL(米国労働省)は、iCertシステムを更新中であることを発表した。2009年7月1日より、雇用主は、労働条件申請(LCA)の手続をiCertシステムを通して行わなければならなくなった。

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

最新法務情報:オバマ政権は、包括移民法改正を少なくとも来年度まで延期

オバマ大統領は、議会が今年度中に移民法改正案を見直すことはほぼありえないと指摘した。オバマ大統領は、以前、移民法改正は、同政権にとって第3優先事項であると指摘した。しかしながら、議会は今年度の残りを健康保険制度の改正に費やすことが予想されることから、オバマ政権は、移民法改正案が今年度中議会で取り上げられことはないと指摘した。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

DHSは、「不一致」の手紙に関する従来の規則の撤廃を提案

DHS(国土安全保障省)は、雇用主がSSA(社会保障庁)から「不一致」手紙を受理した場合、雇用主は知っていながらが米国の不法労働者を雇用した可能性があるとする従来の規則を撤廃することを提案した。従来の規則は、雇用主がかかる手紙を受理した場合、その責任を減らすための「免責」手続が盛り込まれていた。かかる規則の導入後、かかる規則の実施を防ぐためにDHSに対して訴訟が提起された。裁判所は、かかる規則の実施に対して、一方的緊急差止命令を出すことを認め、それは現在も有効である。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

2009年9月号ビザブリテンを発行 - インド人および中国人に対するEB-2分類で進展

(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

CBPによるグローバルな入国プログラムの拡張

DHS(国土安全保障省)のグローバル入国プログラムがさらに13カ国の空港に追加された。グローバル入国プログラムは、米国市民、米国人(米サモアおよびスウエイン島居住者)、米国の永住権者およびその他の特定の国の市民に対して、米国入国を容易にするための「外国旅行をする信頼できる旅行者のためのプログラム」である。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ICEは、偽装結婚の容疑で50人を起訴

シンシナティ地域で、50人の外国人が、移民法による利益を得ようと偽装結婚をした容疑で起訴されICE(移民関税執行局)に逮捕された。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、新しい長官を迎える

2009年8月12日、Alejandro Mayorkas氏がUSCISの長官として就任した。Mayorkas氏は4月にオバマ大統領に指名され、8月7日に上院で確認された。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

ヒューストンの会社がICEにより罰金を科せられる

シップリー・ドーナッツ・サプライ・カンパニーがICEから250,000ドルの罰金を科せられ、133,400,000ドルの没収命令を受けた。2008年1月、ICEは、本会社の犯罪調査を行い、フォームI-9(就労資格確認書)と、従業員の報告した社会保障番号がSSA(社会保障庁)の記録と一致しないときに発行される「不一致」の手紙を検討した。かかる罰金のほか、不法労働者を雇用し、雇用し続けた本会社の社長と数人の責任者に対して刑事罰が科せられた。

2008年の移民法に関わる統計が発表される

DHSの移民統計局は、「2008年度移民法統計」を発表した。かかる統計には、適法な永住権者、亡命者、避難民、市民権申請者、非移民、および強制行為についての現在および歴史的情報が含まれている。本刊行物は、1890年以来毎年発行され、移民法関連の統計や傾向についての興味深いデータを提供している。1996年から現在までの刊行物は、DHSのウエブサイトhttp://www.dhs.gov/files/statistics/publications/yearbook.shtm.に掲載されている。

USCISのウエブサイトが最新化される

USCIS(移民局)は、ウエブサイトを更新しそのデザインと機能を高める準備をしていることを発表した。それによれば、事案の最新情報がEメールやテキスト・メッセージやオンラインで受理できるようになるとのことである。新規のウエブサイトは現在準備中であるが、2009年9月22日には公開される。新たなウエブサイトは以下のような特徴を有する。

l カスタマー中心のホーム・ページでは、ビザ申請者に(一ヶ所で用が足りる)ワンストップ・ショッピングの移民法サービスを提供する。

l 操作が単純化され、サーチ能力が改善された。

l Eメール、テキスト・メッセージなどのカスタマー・サービス手段を高めた。

l 明確な書面による、カスタマーのニーズを満たした情報を提供する。

利用者に新デザインのウエブサイトに慣れてもらうために、USCISは、www.uscis.govでアクセス可能な実物大模型を提供する準備をしている。

機械読取式パスポートの携帯を義務付けられた緊急の旅行者について

ビザ免除プログラム(VWP)を規定する法律により、米国に入国する旅行者は、2006年10月26日以降に発行されたパスポートの場合、機械読取式電子パスポート(Eパスポート)を携帯しなければならない。この規定は、臨時および緊急用パスポートについての例外を定めていない。その結果、米国で乗り継ぎをする場合を含み、緊急用あるいは臨時のパスポートもEパスポートでなければならない。CBP(税関国境保護省)は、米国への旅行の前にEパスポートまたはビザを取得できなかったビザ免除プログラムの旅行者に対し、Eパスポートの要件を任意に免除する権限を与えられた。さらに、Eパスポートを持たない旅行者を搭乗させた航空会社に科せられる罰金についても任意の判断を行うことができる。(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)

USCISは、2009年会計年度におけるH-2B資格の嘆願受付を再開

2009年8月6日、USCISは、2009年度H-2B資格の嘆願申請期間を再開しその受付を直ちに開始した。2009年1月7日、USCISは、議会で指定された年間のH-2B発行枠である66,000件を満たすのに十分な嘆願数を受理・承認したとの発表を行った。しかしながら、DOSが実際に受理した嘆願数は予想よりはるかに少なく、その結果、いままでに発行したH-2Bビザは、40640件にすぎず、約25,000分のビザが未使用である。そのため、USCISは、雇用主が臨時の非農業季節労働者を追加雇用できるように申請期間を再開した。

H-2B嘆願の裁定期間は、平均して60日である。USCISは、申請をする雇用主は特急処理サービスを利用するように勧めている。2009年会計年度枠のH-2Bは、2009年9月30日(2009年会計年度最終日)までに受理・査定・裁定が完了しなければならないので、それまでにH-2B嘆願が承認されるか否かは保証のかぎりではない。

嘆願は、労働省に別途申請し発行された有効な臨時労働許可証明書と共に提出しなくてはならない。かかる証明書には、2009年会計年度に開始する雇用年月日と雇用期間が含まれている。2009年10月1日以降に受理された嘆願、および/または2009年10月1日以降の雇用を希望する嘆願は、嘆願書に記載された開始日と臨時労働許可証明書で認可された開始日が同じ期日でなければならないという要件を含み、2010年会計年度の全ての資格要件の対象となる。

 本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。

Eメール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)

 また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。